〆鯖とへしこ

 今日は久しぶりに夕食に餃子を作って焼いて食べた。 最近は仕事も終わって余裕が出来たので少し手間のくう料理もポツポツするようになった。
 餃子の皮はスーパーで買ったものだが、白菜、韮、ニンニク、豚肉、干しシイタケを微塵に刻んでアンを作って包んで焼いた。 綾部の頃は時々作っていたと思うが、オフが餃子が好きだと知っている嫁さんが行く度に作ってくれるので、自分で作ることは久しくなくなっていた。


 もう先週のことになるがスーパーにイキのよい鯖があったので買ってきて〆鯖を作った。 〆鯖の作り方はさほど難しくないが、とにかくイキのよい鯖でないと美味しいものにならない。 三枚に下して塩を振って冷蔵庫に置くが、イキのよいものであれば一時間ほどで十分だ。 表面に浮き出た水分を拭き取り酢に漬け込む。 最近オフは砂糖、味醂、醤油を混ぜた甘酢に漬け込むようになった。 表面が白くなればもう食べごろで、一時間ぐらいでもよいが、甘酢だと一日とかと長く漬け込んでおいてもOKだ。 表面が白くて中身がまだまだ赤く、切り口が七色に光るくらいの〆鯖はことのほか美味しい。
 一切れだけ味見した美味しい〆鯖を先週嫁さんのところへ持って行くつもりで、タッパーに入れたまま冷蔵庫から取り出して、そのままクーラーボックスに入れるのを忘れて流し台の上に置いて来てしまった。 五日ぶりに神戸から帰って苦い思いでタッパーの蓋を取って匂いをかいだが、酢の匂いがするだけで腐敗臭はしていなかった。 だが、さすがに食べる気はしなくて、そのままゴミボックスへ捨てた。


 今の季節鯖は脂が乗って美味しい。 日本全国何処で獲れたものでも美味しいかどうかは知らないが、この時期日本海で獲れた鯖は美味しい。
 京都へ鯖街道を通って運ばれていたと言う若狭湾の小浜、敦賀あたり鯖はこの時期のものを言ったのだろうと思う。 敦賀あたりでは鯖が沢山獲れた時には小糠に漬けて保存した<へしこ>が有名である。 オフも十年ほど前にへしこを作ってみたことがある。
 たしか五月のある日だったと思うが、スーパーで買ってきて食べた鯖がことのはか美味しかったので、翌日再びそこのスーパーへ行って、全部買うから明日鯖を五十匹ほど仕入れて来てくれ、と頼んだ。 図書館で若狭地方の郷土料理の内のへしこに作り方を調べ、大きな漬物用の桶と塩、小糠、唐辛子、それに本には書いてなかったが麹もいくらか買ったと思うのだが・・・はっきり覚えていない。 翌日食べたのよりはほんの少し小降りだったがかなり安かった鯖を五十匹買って、出刃包丁で片っ端に腹を出していった。 その腹に塩と麹を詰め、塩を減らしてその分その頃たまたま自前で仕込んでいた味噌もいくらか使ったと思うが、小糠との間に並べて漬け込んで最後に表面全体をエチルアルコールで消毒して重石を載せた。
 梅雨明けごろ最初の一本を食べたのでなかったかと思うが、これが友達の間で大好評で、これは売れるよ、とか、商売としてやらないか、と言う話まで出て来る始末だった。  だが商売どころか、へしこを作ったのはそれっきりで、その後一度も作っていないが・・・前の女房が病気になったことや、それより家作りに夢中になってしまったことが大きな理由だっただろうと思うが・・・この話もそんな昔のことではないのだが・・・それも今となってはもうはっきりとしない・・・


 今日の仕事


 姫路へ道具類などを運ぶ。
 二階のガラス窓にガムテープがご丁寧にも+と×型に貼ってあったのを剥がす。 今日は剥離材をスプレーするのではなく、窓を外してホースで水をジャブジャブ掛けながら金ベラで擦りながら剥がしたが、この方がよほど手っ取り早い。 乾くと浮き出てくる接着剤だけは剥離材をスプレーして剥がす。