叫ぶ

 今日は最高気温が26度で夏日になったというが、空気が乾燥しているのでさほど暑いと感じない、でむしろ爽やかな日であった。
 ここのところ毎日キッチンの桧の一枚板のカウンターに柿渋を塗っている。 柿渋は塗った時はさほど色が付かないのだが、後々になって徐々に色が出てくるのだ。 ここへ来てかなり赤味がかった色になってきた。 柿渋の主成分はタンニンだが、防水性もあるというので昔は蛇の目傘などに塗っていたらしい。 田舎では柿渋十回塗ってようやく漆を一回塗った程度のものだ、などと言って軽んじられているようだが、はたしてどうなんだろうか?


 昨日は表具屋が来て張替えした襖を入れてくれた。 明日は畳屋が表替えした畳を持ってくる予定だ。 これで業者へ出した仕事は全部終了したことになる。 掃除だが、最近右の肩が五十肩で上や横へ上げるとかなり強く痛みが強く走る。 掃除、とくに葺き掃除など出来るだろうか心配である。 家のクリーニング業者がいるからそこへ任せようかと思って不動産屋に電話すると、そこの家は広いから結構高く付きますよ、との返事である。  夕方、ためしに少しやってみるかと葺き掃除をしてみた。 右腕を狭い範囲で動かしている分にはさして痛みはないし、当たり前のことだが左手でも雑巾掛けは出来る訳だ。 気弱になっていたが、どうやら案ずるより生むが安しだったようだ。


 クリーンセンターへ行く道だが、最近は加西市内を通らないで田んぼ道を通るようにしている。 迂回して少し遠いが、その方が車も信号が少なくて気楽に走れるからだ。 田んぼの中の一本道を走っていて、そうだった!肝心な人に癌になったことを知らせていなかった、と思い出した。 軽トラを走らせながら、お〜い**、俺は癌になってしまったよ、と空に向けて大声で叫んだ。 その後耳を澄ませたが、何の返事も返ってこなかった。 


 週末は、治療が始まる前に東京に行って、子供たちに逢って来ようと思っている。 もともと今の家の仕事が終了した時点で一度行く予定だったのだ。 その際に孫に逢えるのかと思うと楽しみだ。 孫とはこの三月に一度顔を合わせているのだが、そのことで一層楽しみが倍加したようだ。 息子のブログに孫の姿を映した写真が載るが、それを見るのがオフの楽しみでもある。  どうであれ命は次の次へと間違いなくリレーされている。
 

 今日の仕事


 クリーンセンターへタンスなどの粗大ゴミを廃棄に行く。 棚の塗装、隙間へシリコンをコーキングしたりする。 リビングなどのフリーリングに雑巾掛けをする。 左官屋が入っていたので養生シートをあててあったというものの結構汚れている。