犯罪があぶりだす真実

 もう今月も半分を過ぎてしまった。 仕事はまあまあの調子で進んでいるが、予定の四月一杯で仕上がるかどうかは・・・仕上がるような気もするし、そうでないような・・・まあ微妙なところだろう。 今週半ばから田舎に帰る時間が勿体ないような気がするが、もともとこの仕事には納期がある訳ではない。 自分一人で勝手に予定を立てているだけだから、嫁さんからも無理しないでゆっくりやればいいじゃないの、と言われるが、たしかに遅れても誰が困るわけではないが・・・こだわるのは自分への矜持みたいなものだろうか。


 先日神戸のケーブルテレビで成瀬己喜男監督の「あにいもうと」を観たのだが、フト思い出したのは昨年の年の始めに起きた事件のことだった。   
 昨年の年の初めの事件と言われても、あまりにも事件が多くてピンと来ないかもしれないが・・・アンタには夢がない、と妹から言われて、殺して死体をバラバラに切り刻んだという兄の起した事件のことである。 たしかこの家庭の両親はともに歯医者だったと思うが、兄は歯学部入学を目指していて三浪していた。 妹は女優かモデルかになるという甘い<夢>を持っていて、それを楯になじられた兄はカッとなって犯行に及んだ、という報道だったと思う。 兄は両親の思いを汲んで良い兄を演じようとするが現実が目の前に立ちふさがって思うようにいかず、また妹は両親の思いに逆らいながらも現実がよく分かっていなかったようにも思える。 人よりは恵まれた環境にあったと思うし、二人とも年がまだ若いといえ、何とも幼稚な自我しか持ちえていないなぁ、と当時は思えた。 あの兄は自分の起した事件のことをどのように捉えているのだろうか? 何となく気になって先ほど検索してみた。
 

 ところがこれがメチャクチャに面白い。 
 既製の感覚でしか描かれていないようないかにもうそ臭い小説を読む以上に引き込まれてしまう。 少なくともこの兄の感覚は現在のわれわれの心理状況を見事にあぶりだしている。 手垢が付いたような既製の古臭い感覚でしか事件を後付け出来ていない警察や検察の取調官の鈍感ぶりも同時に見事にあぶりだされている。


 http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/070808/trl0708082023006-n1.htm


 検察が初公判で冒頭陳述した内容は以下の通りである。


 http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/070731/trl0707311152003-n1.htm


 この調書だけを読んでいる辻褄も合っていてたいへん分かりやすく、なるほど、なるほど・・・こういう経過を辿ってことは起こったのだ、と納得できるのだが・・・現実に即してこの事件の核心に迫ろうとすると、部分部分だけが妙にはっきりと分かる程度で、まったく辻褄が合わない矛盾したことが数々起きていたり、思っていたりで、スムーズな説明とは程遠いことだったことが分かる。


 今日の仕事


 約一坪ほどの広さのサニタリーに床を張る。 配管屋が昨日洗面台や洗濯機の水とお湯の給水管と排水管の立ち上げを終えたので、まず五分の杉板を捨て張りしていく。 さらにその上にB級だが杉のフローリング材の比較的良いものを選んで張って行く。 ここの土間には井戸があるので、万一に場合まくれるように45センチ角ほどの点検口を設けておいた。 仕事の途中で自由錐という材に比較的大きめの穴を開ける道具の刃が折れてしまった。 ホームセンターへ行くと、インパクトドライバー用の自由錐があってこれは安全だろうと買ってきたが、何だこれは、と言いいたいくらい力が弱い。