映画「あにいもうと」

 昨日は、午後から須磨へ行った。
 火傷した親指の先や捻った右の薬指もまだ痛い。 歯茎が腫れて頬っぺたも膨れている。 それに最近はとみに右肩が、五十肩だろうと思うが、これも痛い。 満身創痍状態なので、料理も後片付けもしないままソファーに横になって楽しておれるというのはまことに有難い。 抗生物質の錠剤を飲まされ、お尻に痛み止と消炎の座薬を入れられる。 風呂へザブリと入って寝たのだが、三時ごろ目が醒めた時には、寝汗をかいてパジャマが濡れていた。 やはり歯茎が腫れていたのは、風邪から来ていたのだろう。 悪いが嫁さんを起したが、着替えのパジャマがすぐ出てくるとは、これも有難や、有難や・・・である。
 おまけに買った時は焼き立てだったドンクのクルミパンも食べれた。 このパンだけはどんなに歯茎が腫れていて痛くて噛めなくても、舐めながらでも食べたいほどオフの大好きなパンなのである。


 神戸のケーブルテレビで夕方ボンヤリと京マチ子が主演している映画を見ていた。 オフは古いが日本の映画女優の中では特別に京マチ子が好きなのである。 タイトルは「あにいもうと」 途中からなんとなく見ていたのだが、京マチ子はハスッパな女給女を演じていたが、相変わらず演技が上手かったが、それ以上に映画作品そのものが見ごたえがあった。 今検索して初めて知ったのだが、何とあの成瀬己喜男監督作品で、原作は室生犀星である。 家族をテーマにしているのだが、同じテーマの小津作品に負けていないし、取り上げ方が小津作品とは違っていて、兄と妹の壮絶な喧嘩の中から家族像というものを鋭く浮かび上がらせていて、新鮮だった。

 
 神戸から昼過ぎに帰った。 倉庫にサッシが届けられているのを見て、ああ・・・またあの爺さんやってくれた! と思った。
 今朝から仕事に来ていた配管屋に聞くと、午前中運んできて置いていった、との返事だった。 最後に急遽見積もりを頼んだサッシだったが、見積もりを頼んだがのを注文を受けたと勘違いしていきなり商品を運びこんだのだ。 同時に見積もりを取ったガラス屋からは、仕切り価格を書いた見積書の封筒が届いていたところだ。
 その前のテラスサッシの場合も、わざわざウオーキングタイプと言っていたのに、普通のテラスサッシの見積もりを出してきて、当然だがその方が安いので発注した。 ところが届いた枠を見てウオーキングタイプでないことが分かった。 これは使えないので、引き取ってもらう、と伝える。 しかし、また新たに見積もりを取って比較して注文を出すのでは時間が掛かってしまう。 テラスサッシを入れる予定のところの中廉のサッシは取り外し、下部の壁も落としてしまって外部とツウツウ状態なのだ。 悪いのは向こうだが、ただ持って帰れ、では可哀想でもある。 
 仕方ないので、相手側の見積もり価格で納入するなら発注する、と伝えると、その価格で納入します、との返事だった。 そこで商行為のルールの反することだが、相手方のウオーキングタイプの見積価格を知らせた。


 この爺さんは部落は違うが同じ校下の建具屋の親爺である。 ここの家ではこれまでそこの建具屋に戸や障子すべてを頼んでいたようだが、決して下手な仕事ではない。 しゃべり方も超スローで、どこかおっとりとしたところがあるのだが、外見とは裏腹に意外と食わせ者なのかもしれない。 
 最初にサッシの注文を出した時には、酒のワンカップのグラスに入ったウコンを三個、飲んでください、と言って持ってきた。 その後、一間幅の大きな一枚戸を頼んだ時もまたウコンを三個持ってきた。 ウコンなど飲んだことがないオフだが、訊くと食事前後に大匙一杯ほどお茶に溶かして飲むのだそうだが、その内に飲んでみるか・・・と思いながら置いたままになっている。


 今日の仕事


 奥の寝室に中廉のサッシ窓を取り付ける。 和室や廊下などの天井の周り縁の壁と接している部分に透明な塗料を塗って行く。 明日から左官屋が来るが、漆喰など白い壁を上塗るすると、壁と接している古い木材から木のアクが出て白い壁が汚くなることが往々にしてある。 それを防ぐ意味で、あらかじめ材に透明な防腐塗料を塗っておくのである。