妄信かもしれないが・・・

 もう大変だった。 病院で調べてもらったわけではないが、今回の食アタリはどうやら昨年あたから流行しているノロ・ウィルスによるものだったと思う。 ということは原因は生牡蠣となる。 このウィルスの潜伏期間は24〜48時間、田舎へ帰った二日間にわたって生牡蠣を食べていた。 普段はいったん水で洗ってから酢で〆るのだが、今回は水洗いすらせずにパックから小鉢に入れて酢をかけただけで食べてしまった。 また身体の調子が悪くなければさほど体内で増殖しなかったかもしれないが、その後の長時間の高速走行で疲れたこともあったと思う。 腸の中のものは全部水便になり、胃は活動していないので全部嘔吐して上から出た、という感じだった。 お粥に梅干を続け18日にはいったん治まって少し食欲が出てきたが、目の前に大好きなドンクの胡桃パンがあってそれをパクパク食べたのが悪かったのか、再度腸と胃の動きが止まって水便に逆戻りしてしまった。 
 この時期田舎へ帰ると美味しくて安い海の幸がどっさりで、今回も生では、牡蠣、ガス海老、アオリ烏賊、火を通してはコウバク蟹、天然ブリ、大フリなハタハタと連日連夜海の幸を食していた。 一年ほど前も田舎へ帰った時バイ貝で食中毒になったことがある。 オフももう若くないのである、とくに過労している時は要注意なのである。 今回はほとほと参ったので、もう二度と生牡蠣は食べません、と嫁さんに宣言した。
 神戸でお粥を食べては便所へ行く以外はソファーで寝ころがってウトウトしたり本を読んだりしていた。 おかげでオフの好きなアメリカのアービィングの長編の最新作『また逢う日まで』の上巻だけだが読み終えた。 


 また、本を読むのに退屈すると時々テレビで時事ニュースを見たりしていたが、その中でサブプライム問題についてはからずも経済評論家の人が二人、別々の番組で、今後の処方の一つとして政策金利の引き下げを取り上げ、引き下げはアメリカ経済のインフレの引き金なるリスクがあると解説をしていた。 経済の教科書にはたしかにそう書いてあるだろうが、オフはそのような側面の問題ではないと思うし、それは間違っていると思う。 
 金利の引き下げは現在のアメリカのマクロ経済の根底を覆し、アメリカ経済の破綻を引き起こす恐れがあるのだが、だが、それだけが最終的にアメリカの経済の矛盾を救い得る・・・と考えるのだが・・・


 簡単に言えばアメリカという国は、農作物などを除いていわゆるハード的なモノ作りを大幅に縮小し主力の産業を物流や金融、情報などのサービスとかソフトといわれる分野にいち早くシフトしてしまった国なのである。 それはそれで良いとしても、アメリカという国はもともと世界一の豊かな国である、ということは世界一の消費大国なのである。 その結果モノ、つまり産業的な商品ベースにおいてはとほうもない輸入超過で貿易赤字を垂れ流している国なのである。 本来ならそんな国はたちまち経済はインフレに見舞われ破綻してしまうであろうが、決してそうはならない。  貿易赤字で世界中に流れ出る米ドルはいつの間にはアメリカに戻っているのである。 それにはアメリカのソフト産業も形はないがサービスという無形の形で大いに貢献しているのだが、それ以上にアメリカの国債をはじめとする金融商品を、石油で儲けたアラブの王様をはじめ、アジアの華僑など世界のお金持ちに金融商品を買って貰っているからである。 アメリカはばら撒かれたドルを国債をはじめ金融商品の証文を振り出してドルを回収し、米ドルのインフレを防いでいるのである。
 なんだかんだと言っても米ドルは世界の基軸通貨であり、農作物は沢山ある、軍事力は並ぶ国がないほど強大である。 世界のお金持ちにとってお金を安心して預けることの出来る世界で唯一の国がやはりアメリカなのである。 だが、今回そのアメリカの振り出した金融商品サブプライムローンが焦げ付いてしまったのである。 

 この際金利引き下げをおこなう事は、政府が打つ経済政策としてはもっともオーソドックスであり、もっとも重要な基本政策であるだろう。 だが、国内経済の立て直しのために金利水準を引き下げると、アメリカ国債をはじめアメリカに集まっている金融商品から大口の顧客が離れてしまう恐れがあるのだ。 そうなると現在のアメリカ経済の根底に穴が空き、これまでアメリカ経済を支えて来た大前提が崩れてしまう恐れがあるのだ。 最悪の場合二十世紀の大恐慌の再来で、世界中が大混乱に巻き込まれる大デフレ、世界経済の破綻が起きるかもしれないのだ。 心配なのはインフレではなくてじつは底なしの世界規模のデフレなのだと思う。
 いち早くバブルがはじけ大デフレに見舞われた日本の場合、経済構造がまだアメリカのように世界の主軸ではなく、日本の金融商品のなどが世界的に購買されていた額は高が知れていて、幸いにしてゼロ金利にまで引き下げるというウルトラCクラスの手を打てたとも言えるのだが・・・

  オフがノロウィルスで悶々していた18日のニュースに 米商務省が米経常収支を発表したというのがあり、それによると7〜9月期の米経常赤字額は前年同月比17.9%減の約1784億ドルで2年ぶりの低水準となった、とあった。


 http://www.asahi.com/business/update/1218/TKY200712180068.html



 ドル安や米景気の減速による貿易収支の改善などを背景に慢性的に赤字だったアメリカの赤字額が減って、アメリカの経常収支はいくらか改善されたのである。 資本流出額は4〜6月期と比べて66.5%減った一方、資本流入額も59.8%減ったとあるが、皮肉なことだがここでもわずかだが常識的な意味での収支の改善がなされたのである。


 この程度の簡単な論理からオフの大胆な結論的な考えを言ってしまえば、大幅な金利の引き下げは現在のアメリカの経済政策の根底を覆し、アメリカひいては世界を大混乱に巻き込むしれないが、長い目で見ればアメリカ経済の弱点とそれに支えられている経済の欺瞞や矛盾から世界を救いうる唯一の健全な手であり、今もっとも必要な最後の最大の手であると信じている・・・のである。


 今日の仕事


 リビングの掃除をする。 建具屋と材木屋に連絡を取ってサッシが決まったと連絡すると、両者とも商品の確認に来る。 上げ下げ窓三点、縦すべり出し窓二点、普通の引き違い窓一点と計六点サッシの見積もりを依頼する。 メーカーは建具屋は立山三協、材木屋は地元のトステムであるがさてどうなるやら。 南側のサッシ窓を取り外しをするが、昔の内付け窓で、外壁でサッシのまわりをしっかりと覆いつくされているので、外壁をグルリと外してからでないとければ取り外せないので大変だった。 この部分は現在引き違い窓が入っているが、柱が邪魔で一本真ん中で切られて窓の部分がない。 ここに今度は縦すべり出し窓が二連で並んで入る。 内壁は真壁なので柱が真ん中で切れていてはどうしようもないので、ここへ明日一本柱を入れるわけである。