大相撲

 昨日の夜神戸に着いた時は寒いような熱いようなで、体調が最悪だった。
 それでも用意されていた鍋料理を食べるうちに身体が温まり一息つく。 風呂へじっくり入ってさらに暖まってから、缶ビールを飲んでこれは大丈夫とさらに焼酎の水割りを飲んだが気分が悪くなる。 布団に入って眠りながらも寒いような熱いような身体の状態が続いた。
 朝五時ごろ親父が出て来るおかしな夢を見て目が覚めてしまう。 トイレに行ったついでにソファーに座ってボンヤリしていたが、突然・・・ワァ〜ッ 今日は親父が亡くなった正命日だ!と気が付く。 目が冴えそうなので缶ビールを飲んで再び布団にもぐりこんだが、嫁さんにご飯が出来ているよ、と起こされるまで熟睡していた。
 嫁さんは、お粥が糊のようになってしまってごめんね、と言うのだが、お米から炊いたお粥は甘みがあって美味しい。
 起きるとご飯が出来ている、これって、文句の言いようのない幸せなんだ、と今更ながら実感する。 
 朝飯を食べた後、再びソファーで小一時間ほど眠ったが、起きた時は身体の調子は普段に戻っていた。


 夕方五時ごろ、何となく手持ち無沙汰になってテレビを点けて大相撲九州場所を観戦する。 階段状になった観客席の上半分はお客さんが一人もいない、まさにガラガラな状態である。 正面の観客席ですらそうだから、残り三方も同じようなものだろう。 連日大入り満員の記録を伸ばしていた頃よく相撲を観戦していたから異様な感じである。 そんな中正面の十列目ぐらいに丸髷頭の博多の綺麗どころの黒羽織のお姐さん方が十人ほど並んで観戦していた。 お客が少ないせいか、地元力士の贔屓の角番大関魁皇が負けると、お客さんたちは周りの人たちと顔を見合わせ、ああまた負けたか、とガッカリしている雰囲気がモロに出ていて笑えた。 そんな場末の小屋掛け興行的なこじんまりした雰囲気も悪くはないものであるが・・・なぁ・・・こんな状態でやっていけるのだろうかと他人事ながら心配になる。