更年期

 柱を大きさに切り、上下部にホゾを作り柱の三面にヌキ穴を掘っていく。 今時の大工さんはこのようなコツコツな手仕事をやらなくなった。 人力よりも早く仕上がりほんの少し安いので、プレカットにまわしコンピューター付きの機械で綺麗に仕上げてもらうのだ。 人力でやるにしても電動でヌキ抜くハンディな機械があるが、オフはそれすら持たないのでいわゆるノミでコツコツやるしかない。 これぞオーソドックスな大工仕事になるのだが、オフにはこれをやっている時が一番楽しい。 また最近では柱にヌキ穴をあける工法も流行らない。 最近の家造りでは和室があってもせいぜい一部屋ぐらいが相場だからである。 柱の上に壁下地をしてボードを当てて柱を内部に隠してしまう大壁工法にするからである。
 今日はまだ柱を固定して壁をするまでに至らない。 明日内部の壁の一部を落として開口してからの仕事となる。 壁も下地がボードの壁ならことは簡単だが、いわゆる塗り壁の土壁である。 早くも3K仕事が始まることになる。


 ここのところ嫁さんの体調がいまいちであった。 今週初め神戸で二人でソファーで寝そべって長くなっていたのだが、嫁さんと身体が触れている部分が急に熱くなった。 まるでそこの部分だけ急にハロゲン光でも当たリ始めたようにである。 ワッ!なんだ、なんだ、と言うと、このように急に体温が上がってかっと熱くなったり冷めたりするのだそうだ。 典型的な更年期障害の症状らしい。 原因はいまいちよく分からないらしいが、ほんの微量のホルモンの作用らしい。 まあ、それだけなら良いが彼女の場合、耳鳴りがしはじめ激しい頭痛がしたり、お腹が痛くなって下痢をしたり、気分が鬱になったりという困った作用が出て来る。 それも一定期間の間を置いての、いわゆる不定期だがある種の周期があるみたいなのである。 男の身体は精液を作り、それを放出していればそれで済むのだが、産む性である女性の身体は精密機械のような複雑さがあって、体調により気分すら一定しないという微妙さがある。 それを目の当たりに感じたりする時、男と女は同じ人間とはいえ、まったく別の生き物なんだなぁと思う時がある。
 

 今日の仕事


 昨日に引き続き和室奥の間の西側の開口部を塞ぐ仕事をする。 ここには二間の幅で大ききなテラスサッシ窓になっていたが、それを外して半分を壁でここは押入れになる。 もう半分の上部は中廉のサッシ窓となる。 真ん中に一本柱を立て壁になる側はヌキを入れ、もう片側は真ん中下に横にサッシを受ける枠を入れその下はヌキ。 押入れの横にもヌキを入れて半間幅で仕切り、ここの上部は窓、下部は棚を渡して下部は地袋になる。 サッシ窓のもう片側はさらに奥のへ屋のウオーキングクローゼットの明かり窓となる。 ということはここのサッシ窓の真ん中に仕切り壁が来ることになって、窓と壁の間に少しの隙間が出来るがこれは致し方がない。 ウオーキングクローゼットはほんの一坪程度の広さしかないが、なんと真ん中に一本柱立っている。 ここは元便所だったとこで、この柱は抜きようがないので残す。