いよいよ仕事

 いよいよ今日から造作仕事である。 今日は二間幅で四枚戸の大きなテラスサッシを取り外した。 西向きのこの開口部分を壁をして塞いで、内側に押入れを作る。 ところがこの大きなサッシの取り付けが 昔のサッシ窓で今はもう何処のメーカーも製造が取り止めてしまったいわゆる内付けサッシで、仕事がやたら丁寧で大工の使う長い釘でガンガンと止めてあって取り外すのにものすごく難儀してしまった。 アルミは柔らかい素材なのでバールを入れるとすぐ傷が付いて、ささくれ立ってベコベコワヤワヤになってしまうからだ。 結局柱を立てて壁下地をする造作は明日の仕事となる。 
 と言うことは今日はその部分は外部とスッポンポンの開口のなっているので、室内も室外もない状態である。


 奥の和室は外部からの明かりが入る窓がない。 幅一間半の押入れを一間にして、半間の上半分を抜いて明り取りの窓を取り付ける予定であった。、そこは押し出し窓かルーバー窓だな、と思っていたが、気が変わって普通のサッシ窓を片側だけ使うことを思いつく。 それもサッシの部分を木枠で隠してあたかもそこが窓でないように見せかける遊びの細工をしてみることにした。 実はこれは八千代の便所で使った細工である。 ボロ小屋を壊してそこから出たサッシ窓を新しくした便所の窓として再利用したのだが、いかにせん便所の窓としては大きすぎて下部の部分に壁を作って小さく見せるようにした。 さらに真ん中に抜けない邪魔な柱があってそれがサッシの真ん中縦枠を隠してしまった。 そうなると内側から見えるのはガラスの部分だけとなってしまった。  ところがこれが思わぬ効果を上げて、嫁さんをはじめ来る人がみな、便所に窓は入れないのか、と怪訝そうに聞くのだ。  ちゃんと入っているんだよ、外側から見てご覧、と言うと一様に、本当だ!と驚いていた。 今回も枠を隠してガラス部分だけを見えるように細工するが、それなら新しいサッシでなくても良いはずである。 近くのリサイクル屋に中古のサッシ窓が置いたあったのを思い出し、さっそくそれを買いに行く。

 
 サッシ窓を取り外していると、近くで畑をしていたお婆さんが来て、何だかんだと話していく。 ここの家の裏の斜め西側に大きな農家の家があるが、そこはもともとここの家の本家なのだそうだ。 どうやら万年留守なので、どうしてなのか、と聞くと、早くに奥さんを亡くしたお爺さんが一人暮らしをしていたのだが、今は病院へ入ってしまって留守になっている、と言うことだ。 その家の斜め前にも何処かのハウスメーカーが建てたまだ新しい家があるが、そこもどうやら留守らしい。 それを訊かない先にお婆さんは、その新しい家はそのお爺さんの息子夫婦が住んでいたのだそうだが、その息子が若くして亡くなってしまった後、嫁さんが実家へ帰ってしまってここの家も留守なのだそうだ。


 何処でもそうだろうが田舎では住む人が高齢化してきて、留守同然の家がポチポチ増えてきている。 この先そんな家が急激に増える時期が来ると思うが、家を売るりに出すのはイコール貧乏という風潮があって、なかなか手放そうとはしないのが現状である。 オフのような仕事をする人がこの先一人二人と現れてきて、古い家を若い人でも住みやすいようにコツコツ作り変える仕事をして欲しいものである。
 

 今日の仕事


 午前中は仕事場の掃除や整理をして、電動カンナや電動丸ノコの刃を取り替えたりする。
 午後からリサイクルサッシを買ってきて、二間幅の四枚戸のテラスサッシを取り外す。