構想

 灯油ボイラーが使えなかったが、今日メーカーから修理に来てくれた。 原因は何とコンセント口に電気が来ていなかったのである。
 最初からリモコンの表示が消えていたので、故障の原因についてチェックのしようがなかった。 一度も使ったことがないボイラーだったので頭からリモコンの故障と思っていたのだが・・・出張料金として5千円支払うことになった。 こんなことがあるから今度テスターを買ってくることにした。 まあそれにしても今日から思ったときに風呂に入れるのは嬉しい。
 

 この加西の家の構造だが、南向きに玄関を入ると左側が田の字型の四つの和室である。 縁側の突き当たり、つまり座敷の床の間の裏側に和式のトイレがある。 一般に昔の農家はトイレは外部にあったのだが、それがこのような位置に持ってきて建物に併設するようになったのだろうと思う。
 玄関の右手は応接間である。 家人の話では昔はここの家は酒や煙草を販売していて、この位置が往来に面していたので商品を売る店であったと言う。 北側には母屋と東西同じ幅の別棟の二階建ての納屋が建っているが、現在は一階は両棟を繫いで一体の家となっている。 それぞれの二階へは別の階段で上がることになり、それぞれ二部屋づつある。
 田の字の四つの和室の内の奥側の部屋の北側は二間幅の押入れで、その奥に廊下があって和室がある。 手前側は押入れがなく廊下でその壁の向うがダイニングである。 つまりここの家は元の母屋と元の納屋の境の東西の横のラインがほぼ壁で仕切られているのである。 これでは建物内の南北の風の通りが断ち切られていることになる。
 日本の昔の農家は基本的には夏向きに建てられていて、和室の建具を外すと南北と東側が外部に向けて開口するようになっている。 良いに悪いは付き物で冬場は寒いが、湿気の強くて蒸暑い日本の夏の過しを優先した結果だろう。 最近はエアコンの利用することでどちらかといえば家の中の風の流れをさほど重要視しないようになった。 同時に、さらに近代化によって出てきた家庭内での夫婦や個人のプライバシーの問題もからんできている。 その両者を何とか組み合わせて、両方を無理なく成り立たせる家を造ろうと工夫するところにオフの現在の家造りの難しさがある。
 夏場に南北の縁側の戸を開け放って広々とした部屋で寝る心地よさは、言ってみれば今ここに生きている心地よさであり、これはどうしても捨てがたいモノであリ、これを無視する事だけはしたくないのだ。
 今回の仕事では、押入れと廊下をなくしてその部分を部屋に取り込み、そこの仕切りに開口とも壁ともなるような白いデコラの厚手の重い建具を使うことにした。 さいわい元の母屋と納屋の境には両建物の柱と柱間に一尺の余分なスペースがあり、そこを広めの廊下などとして処理されていたので、横に大きな建具を柱に沿うよう取り付けて仕切りにしてもさほど違和感が出ないと思う。
 もう一つはダイニングとキッチンにリビングを仕切りなく一体にしてしまい、こちらも明るくして南北の風の流れを良くすることにする。 またこれまではLDK全体に天井を上げて梁などを見せるようにしてきたが、今回は予算と工期の関係でそれをするのはリビングだけにとどめるつもりである。
 

 今日の仕事


 倉庫の二階を片付け、掃除をする。 なんとなんと大型のポリバケツ一杯のゴミが溜まっていた(笑)
 午後から一階の倉庫の片付け掃除、八千代から運んできた道具や細かい材料の仕分けをする。 今回は前の倉庫の何十分の一の広さしかなく狭いので、道具類などの整理整頓小まめにするしかない。 倉庫の二階への階段は梯子を登るように急なので今日は草臥れてしまった。