埋蔵文化財

 昨夜も煌々とした月夜だった。 一昨日が中秋の名月だったが、実は今夜が満月の夜なのである。
 詳しくは分からないが、中秋の名月というのは旧暦の八月15日の夜の月のことで、実際の満月は少しずれるのだそうだ。
 昔から洋の東西を問わず、月明かり、ムーンライトというのは人の心を癒す不思議な力があると言われてきている。 昨夜は10時過ぎに寝たので夜中の1時頃目が覚めた。 冷蔵庫に缶ビールはなくなったので、日本酒を手にベランダに出て静かに一人酒を飲んだ。


 和室の建具の傾きを直す。 田の字型の和室四室の各室は全部建具で仕切られている。 障子あり、襖あり、ガラス戸あり、板戸あり今その数を数えてみるとなんと三十六枚あった。 それらの戸を閉めると柱との間に隙間が出来たり、真ん中の戸同士がピッタリと付かなかったりしている。 これは建具だけの問題ではなくて柱が傾いていることもあるが、とりあえず建具の下部の調整で誤魔化すしかない。
 たしかに下部に当てモノをすると、とりあえず誤魔化せるが、障子の場合全部閉めて横から見ると桟が真横にスーッと一列に揃わないで波打っていることになる。 所詮、誤魔化しは誤魔化しである、なかなか上手くいかないものだ。
 

 仲介の不動産屋が来て隣との境界線の確認をして赤い鋲を打つ。 隣との境界はここを買った不動産屋から水路が境界だと聞いていたが、法務局の構図を見るとどうやら違っていて、その水路より2メートルほどこちら側に入ったところが境界のようである。 水路が途中から向こう側へクランクしている訳だが、とりあえず水路をまっすぐに延長したところを鋲を打ち、隣の家の人の立会いのもとにそこを境界とした。


 次の競売物件に嫌な問題がある。 埋蔵文化財の指定を受けている地区なのである。 そこを許可なく基礎工事などのために掘り返すことは調査が終わるまで出来ないのである。 その調査は何時あるか分からない。 そこにどうしても穴などを掘りたい場合は、費用を自己負担して調査をしてもらってからでないと出来ないのだ。 オフの場合家をリフォームするだけだから、地下に埋蔵文化財があろうとなかろうと関係ないのだが、隣の3.400坪の地所は他の人に売りたいのである。 だが、そこを買う人が家などを建てることが出来ない土地だと分かれば誰も買わないだろう。
 そこは以前は大きな倉庫が建っていたところで、表面は土間コンクリートがしてある。 最近は家を建てる場合布基礎だけでなく、全体にベタ基礎をするほうが湿気が上がらなくてシロアリも来ないというので、ベタにコンクリートを打つことが多くなってきているのだが・・・そのような考えの人なら、買わないこともないと思うのだが・・・とりあえずすぐにでも一度役所に行って文化財の係りの人と話し合うことが必要だろう。 場合によっては入札を見送ることもあるだろうが・・・その場合古くて良い家だし、是非手掛けたい物件なので・・・悔いが残りそうだなぁ・・・
 

 今日の仕事


 午前中建具の調整をする。
 午後からは倉庫の雨水が流れる溝が狭いので激しい雨が降ると流れるより溢れ出てしまう。 そこで65ミリの塩ビの4メートルパイプを二本買ってきて雨樋からパイプに直接流れるようにしたが、65ミリではまだまだ狭いような気がする。