豊作

 急に涼しくなった。 まさに暑さ寒さも彼岸までである。 昨夜などは枕元の戸を閉めただけでなく薄手だが長袖のパジャマを着て寝た。
 日本上空を覆っていた太平洋高気圧が後退して、西から次々に高気圧が移動性となって日本の上空を通過していく、これぞまさに秋本番の気候だ。 例年なら10月に入ると高気圧が帯状に繋がり、天気が安定し爽やかな秋空が続く。
 いつの間にか田んぼの稲は刈り取られ、まだ植わっているのは酒米だけらしい。 そう言えばこの辺は酒米として有名な大粒の米山田錦の発祥の地らしい。 


 向かいのオッサンの娘さんが嫁に行っているという近くの農家から、玄米を分けてもらった。 これまで田舎ではコシヒカリを買っていたが、今回はキヌヒカリコシヒカリの混ざったお米である。 何でこのような混ざった米になるかと言えば、苗代する時点から両方の種もみを混ぜて植えているからである。 美味しい米として知られているコシヒカリには茎が弱くて倒れやすいという欠点がある。 稲に穂が入ってから茎が倒れるとコンバインでは刈りにくい上に、下手をすると芽が出てしまう。 そこでこの辺では茎のしっかりしたキヌヒカリコシヒカリを混ぜて植えて、倒れるのを防いでいるのだそうだ。 それにしても今年も豊作だそうで美味しい米が食べれる、ありがたいことだ。


 今日の仕事


 田の字型の和室の内、床の間がある座敷だけ他の部屋より天井が高い。 その関係で二階の物置の床だけが70センチほど他の部屋より高い。 
 その物置にに上がるための二段の階段を造る。 その後、キッチンのカウンター、これはタモ材の無垢の一枚板を使っていると言いたが、実は集成材であるが、これに塗装をする。 直接食べ物などを置いたりするカウンターなので自然素材の柿渋を塗る。 今日は三倍ほどに薄めて三回塗るが、なんだか今回買った柿渋はトロリとしていなくて塗りやすい。 これだったらあえて薄めないでそのまま塗ってもムラにならないような気がする。 
 最後にあちらこちらの木材の節穴や隙間にウッドパテで埋める作業をした。