経済、金融・・・

 涼しくなった。 今日も終日寝ころがって本を読んでいたが、最高気温が30度を切っていると途中で眠くなることも少ない。 オフの夏休みもそろそろ終わりだ。 この間増えた体重をダイエットするためにも9月からは活動開始しなくては・・・


 アメリカにおけるサブプライム住宅ローンの問題に端を発した信用不安の払拭のため、米連邦準備制度理事会FRB)は今月の17日公定歩合の引き下げを行なったが、その決定が前日の会合でなされと訊いた。 わずか一晩ですべての準備をするそのすばやいタイミングの対応のおかげでアメリカの株価は翌日から買いに転じた。 公定歩合の引き下げが、その決定からわずか一日弱の短い期間での対応だったことを知って、オフはアメリカの優秀なスタッフの仕事ぶりに驚き、舌を巻いたものである。
 だが、FRBは28日連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を公表した。 この中で、FRBは、信用不安が景気に悪影響を与える恐れがあるとして、8月7日(約10日前)に政策対応の必要性があることを協議していたことを明らかにした。


 http://www.jiji.com/jc/c?g=int&k=2007082900099


 そうだろうなぁ・・・それにしても近々信用不安が起きると仮定して、その対応の準備をしていたという、その先を見通すアメリカの判断力や対応力に今度はいたく感心させらた。


 話は日本に飛ぶが、日銀は今月の金融政策決定会合で金融政策の現状維持を決め利上げを見送ったが、それはサブプライム問題で金融市場が大きく混乱しており、実体経済に及ぼす影響を見極める必要があると判断したためと説明された。 
 この時、国内景気の先行きに自信を持てるとして、ただ1人利上げを提案した人がいた。 それは日銀審議委員会の水野氏という人であるが、彼は今日甲府市講演をして以下のように述べたとある。


 http://www.nikkei.co.jp/sp1/nt1/20070830AS2C3000J30082007.html


 彼の考えの要旨は、サブプライムローンに端を発する金融市場の混迷について日本の低金利政策が無縁とは言えないということである。 日本が経済実態とかけ離れた低金利を続けると、円キャリー(円借り)取引など偏った取引が増えて市場が不安定になるリスクがあることを今回の事態は証明したのだ、と指摘した訳である。


 経済のことにはまったく素人のオフには、いずれの考えが正しいのか判断できないが、水野氏はグローバルな視点で事態を見た上で発言していることだけは分かる。
 つまり、日本だけが極端な低金利政策を取っているので、日本で低金利の金を借りて、それをアメリカの高金利のドル資産に投資して利益を上げる円キャリー取引のその行き過ぎた投資がことの背景にあると見ている訳である。 その結果から見てサブプライム問題やそれに端を発した円相場の乱高下の原因は、わが国の低金利政策もまったく無縁でなく、そのいびつな構造を出来るだけ早く解消する方向性だけでも見せないと金融市場の混迷はまだまだ続くと高度な判断しているのだと思う。
 

 そのへんのことをもう少し詳しく以下のアサヒコムが書いている


 http://www.asahi.com/business/reuters/RTR200708300052.html


 市場というか、大手のヘッドファンド、機関投資家が世界的な視点で何とかサヤを取って儲けようとしているのが現在である。
 それぞれの国ではその国内の事情を踏まえた上で経済政策や金融政策が決められ、それを実行しているわけだが、それではグローバルな動きをする動きには対応できていないのが実情である。 経済政策や金融政策は国家の枠を超えた世界的な視野で即応しないと、いたずらに混乱や不安を増長させ長引かせるだけであるような時代にすでに突入している。
 そのへんを世界規模の視点を持って各国に経済や金融の政策のすばやい対応をリアルタイムにアドバイス出来る最上位の国際的な機関が今すぐにでも必要のような気がする。
 すでにマネー幻想は国境、国家幻想を突き破って、それをはるかに凌駕する動きをしている訳であるから・・・