美空ひばり
昨夜は神戸で過ごしたのだが、夜は食事を挟んでNHKのBS放送で美空ひばりの歌番組を見ていた。
オフは生前の美空ひばりに対しては好きだったとか、嫌いだったとかでは単純に割り切れないような複雑な思いが錯綜していた。
たしかに彼女は知っている日本人なら誰もが認めるだろうが、折り紙つきの第一級の歌い手だった。 昨日もテレビから聞こえて来た<りんご追分>などは月並みな表現だが、心に染み入って鳥肌が立つくらいものすごい迫力があった。
その唄われている歌詞は
りんごの花びらが風に散ったよな
月夜に月夜に・・・そっと・・・えええぇえぇえ・・・
津軽娘は泣いたとさ
辛い別れを泣いたとさ・・・
りんごの花びらが風に散ったよな
たったこれだけである。
こんな単純な歌詞をゆっくり唄うだけで、その歌声が心に染み渡って来るというのは、まさに美空ひばりの豊かで天才的な歌唱する力のたまものである。 ただそれに加えて彼女の歩んだ人生、歌謡界の女王としての地位とそこからの転落があってこそますます彼女は魅力は深まっている。
この番組を作ったNHKは彼女の興行が暴力団の資金源になっているという理由から、テレビの画面から彼女を完全に締め出した。
あれから20年以上経っている。 この番組は二夜に渡って放映されたものでオフはその半分も見ていないが、彼女の転落をまさに竿を指したのは当のNHKであったが、どうやらそのことは一切不問にしていたようである。 いつも優等生的なNHKが今更永遠の歌い手、美空ひばりなどと持ち上げてもどこか白けるものがある。
当時美空ひばりはそのNHKの措置に対して、これまでお世話になった来た人をムゲにすることは出来ない、粥をすすってでも唄い続ける、と宣言していたと思うが、その言い方もどこか大げさすぎてオフを白ける気分にさせたものだが・・・
いずれにせよ、当時の音楽界の流れはフォークからニューミュージックに移っていて、もう歌謡曲を放映しても視聴率は最悪の時代だったと思う。
とにかく転落という言葉がふさわしい歌謡界の女王の痛々しい姿が印象的であり、その後、彼女は浴びるように酒におぼれ、最後は飲みすぎて骨も溶けはじめていたと言う・・・
今日の仕事
ホームセンターをまわって電気のスイッチや塗装用のローラーバケなどの買物をしただけで仕事はしなかった。