モノを大切にする

 日本の民家について思いつくままとりとめももなく書いてきたが、とにかくいろいろ問題点はあるがオフは日本の民家が好きである。
 たしかに現代の生活とは相容れなくて住み難い面もある。 近代の生き方や考えと相反するのだが、民家に現れている人間の住まいに対する考えが好きなのである。  われわれが受け継いできた生き方というのは一言で表現するなら<モノを大切にする>ということに尽きると思う。


 近代の考えの中に<モノを大切に使う>という考えは成り立たない。 われわれはもうそれこそ、身の回りにありととあらゆるモノに囲まれて生きているのである。 モノをどんどん生産し消費しないと近代のシステムは成り立たないのである。 今この瞬間にも、石油はどんどん掘り出されており、それを使ってわれわれは近代的な生活を維持している訳である。
 近代はいつまで続くのか? どうであれ消費する資源がなくなるまで続くだろう、というのが正しい答えだろうと思う。 
 しかし、近代などと言っても、日本においてはせいぜいここ百年そこそこ話である。 これまで人間が大切に守って受け継いできた生き方の長い歴史の中でのほんの百年ほどなのである。 この先、近代がどれだけ続くか分からないが、とにかく資源は有限である。 ということはいずれ資源はなくなるということである。 その時に人類が存続しているかどうかは分からない。 もし存続していれば、それからは幸せな時代が続くのではないかと思うのであるが・・・


 その時になればおそらくまた木や土や萱などを使った民家が復活するだろう。 なぜならばわれわれの身近に、手が届く範囲にそれらがふんだんにあるからである。
 その時までに技術は受け継がれているのか? 心配ない、と答えよう。 人間の考えることはいつでもだいたい同じなのである。 そのことは古民家にたずさわってよく分かった。 オフが考え考え工夫してやったことが、すでに昔の人が家作りの中で使っているのを何度も見ているからそう言えるであるが・・・。 


 今日の仕事


 サニタリーのトイレ部分のフローリングを張る。 これでトイレに関してはフローリングに塗装をすれば床仕事は終わりである。
 トイレの床だけ先に仕上げたのは、内部に壁に羽目板を張って腰壁をするためである。 その後上部の壁にプラスターボードをヌキ下地に張る。