映画「リトル・ミス・サンシャイン」

 神戸では昨夜三宮へ映画を見に行った。 映画館へ行って映画をみるのは本当に久しぶり、一年ぶりぐらいだろうか?
 今、過去の日記を調べてみると、昨年4月の始めに「アメリカ・家族のいる風景」と「ブロークバック・マウンテン」と立て続けに二本見て以来である。
 当時書いた簡単な感想を読むと、両作品とも評価するよりもやんわりとケナしている。 だからこそ映画館からオフの足が遠のいたとも言えるが、それ以前に毎月見ていたここ数年アメリカ映画は全般に低調である。 先月のネットニュースでは数十年前に山田洋二が撮った「幸福の黄色いハンカチ」がハリウッドでリメイクされると読んだのだが、何?今更!あんなクサイ映画を!をと呆れかえってしまった。


 さて昨夜一年ぶりに見たのは「リトル・ミス・サンシャイン」という映画である。 低予算で作られながら映画祭などで評価されて注目を浴びたという映画。 話はアメリカでは女の子のミスコンがあって、そのコンテストに出場する女の子とその家族の物語である。 全員バラバラの家族、しかもそれぞれ負組であるが、そこへ自殺しぞこなった奥さんの兄、プルースト研究者としてはアメリカで第一人者と自称するホモ男も加わる。
 おかしな家族の中では唯一マトモな一番下の娘オリーブがリトル・ミスコンに棚ボタで出場が決まり、全員ボロバスでカリフォルニアへ向かうロード・ムービィである。 と同時にバラバラな負組み家族が、いったんどん底に落ちて、勝組、負組的な単純な二者択一的な価値観から抜け出して、どのようにして家族の絆を再び結び直すことが出来るのか、をストーリィの中で問いかけている。  はからずも昨年のビム・ベンダースサム・シェパードのコンビが「アメリカ・家族のいる風景」で取り上げたのと同じテーマだったが、辛気臭くない分「リトル・ミス・サンシャイン」の方がよほど面白いし上である。
 それにしてもチョイ出の脇役連中全員の人選も良かったが、演技もメチャ上手かった。
 その中でも脇役大賞上げるとすれば、そのまんま東似のミスコンのニコニコ司会者だろうなぁ。 ライス国務長官の顔を少しソフトにしたような病院の事務官もいたぞ〜、桜井ヨシコ似のヒステリーな女審査員長も憎らしいかったよ、それにドライブインのチョイおデブなウエイトレス、ポルノ好きな不潔そうな腹の出た警官、会場で父親の隣に座っていたマッチョなバイカーなどなど・・・思い出すだけで今も笑いがこみ上げてくるなぁ・・・