どちらが変人

 仕事をしていると向かいの家のおばさんが入ってきて天井を見上げて、ガイヨウしてはるなぁ、と言う。
 まあ、少しづつですわ、と答えながら、先日貰った漬物のお礼を、美味しかったわぁ、と言う。 その後、とりとめもなく今年は暖冬で暖かいと言う話をしたりしていたが、しばらくして、神戸の長田区に知り合いの人いてないかなぁ、と言うから、何かあるんか、と訊くと、今度神戸で選挙があってなぁ、良かったら公明党の候補者に入れてもらうように薦めて欲しいんや、と言う話である。 少しムッとしたが、ここで良い加減なことを言っていると後々何だかんだと言ってくるので、そやかて、選挙いうもんは人に頼まれて入れたり、頼んで入れてもらうもんチャウやろ、自分なりに考えて、誰ぞに一票入れるもんでないかいな、とヤンワリと言う。 そりゃそうやけでなぁ、良い人やから、何とかその公明党の人を当選させたいと思って頼んで歩いているのや、と言う。 その人知ってはるの?と訊くと、直接知っているわけではないけど・・・と言う話である。
 この手の人は、何と言うか・・・自分のやっていることが、個人の自由を犯す、きわめて無礼で破廉恥なことだと微塵も思っていない様子である。


 田舎の人は、地区の選挙などになると見境もなく破廉恥になって、それを破廉恥で相手に対して無礼だという意識など少しもなくなる。
 オフの田舎の部落では、そこの地区から立候補する人の推薦人にならないし、選挙事務所に顔を出さないのはお宅だけである、と言われたことがある。 でもそれで通すとその次から、アイツは放っておけ、となって声が掛からなくなるものである。
 また、地区の選挙では頻繁に電話が掛かって来る、会社をしていた頃はそれなりに対応していたが、辞めてからは電話口で、電話を掛けてくる候補には入れないことにしています、と答えることにしている。 そうしていると有難いことに電話は掛からなくなるものである。


 今日の仕事


 天井板と天井枠に二度目の塗装すます。 ダイニング天井の廻り縁を造る。 この廻り縁は天井枠の半分の幅である。 本来棹縁天井などでは棹より廻り縁の方が大きめの材でまわすのだが、オフの天井は逆で廻り縁の方が半分の幅である。 途中に梁があったりするので結構手間を食う仕事となる。 その廻り縁の材に一度目の塗装をする。 明日はその天井枠と廻り縁を取り付ける。