過ぎてゆく・・・

 気がつくともう一月半ばである。 正月明けから配線とか塗装とか目に見えて仕事が進むようなことをやってこなかったので、この半月が過ぎたのはアッという間のことのように思える。 はたして当初の予定通り半年でここの仕事を終了出来るのか?少し怪しくなってきた。

 嫁さんのお兄さんの娘、つまり嫁さんの姪が結婚した相手がうつ病で会社を長期間、もう一年あまりになるのではないだろうか・・・休んでいる。
 彼は大阪大学の基礎工学部を出て、大手の総合電気メーカの日立のソフト部門の会社に入社した。 システムエンジニアとしてプロジェクトを組んで働いていたのだが、一昨年結婚した後ぐらいから調子を崩したと言う。 結婚は関係なく、その前あたりから徐々に調子を崩していたらしい。
 会社は医者が仕事復帰のOKを出すまで休みを取れるということだが・・・どうあれ病気であるし、たいへんなことには変わりなく何よりも本人が一番つらいだろう。
 最近嫁さんのところへ夫婦で一日だけ泊まりに来て、一晩三人でよもやまな話し合いをしたという。 その話を電話で訊いたのだが、優秀で真面目で、どうやら大人にとっての良い子ちゃんを子供の頃からして来たタイプで、反抗期をないままで青春期を過ごしたようである。 最近は日本ではこのように反抗期がないまま大人になる青年が少なからずいるそうなのである。 そんなことが分かったからと言って、これからどうすればよいのか分からないのだが、でもものは考えようである。 悪いと良い裏表である。 富めるということは貧しいことであり、貧しいということは富めることである。  
 何もこれはたんなるレトリックとして言っている訳ではない、事実としてそうなのである。 病気をして苦しむことで、それまでの単純な人がひと回りもふた周りも深く大きくなる人もいる。 世の中にはそのような例がワンサとあるのをオフはこれまで見て来ている。


 普通うつ病の人は被害妄想と自己嫌悪が交互に出てきたりするものだが、話を訊くと彼のウツには被害妄想が少ないようである。 身近な周りの人は大変だが、ウツの被害妄想が出て来た時に、人間についてや社会について鋭い分析を次々に繰り広げる人がいる。 作家などのこのタイプの人が多いが・・・その後、逆に自己嫌悪が出てくると今度は極度に自虐的な考えに落ち込むのだが・・・
   


 今日の仕事


 昨日に引き続き一階和室の奥の間に壁下地にボードを張り、敷居を入れる。 その後、もう一箇所も柱間にヌキを入れて壁下地をしてボードを張る。
 壁面を増やしていると言う事は、請負で頼んだ左官屋の仕事を増やしているのことになる。 今のところは左官屋は嫌な顔をしていないが、後になって追加を言い出すつもりだろうか。  リビング仕事では少し壁面が減ると思うのだが、当初予想していてより減る分が少なくなりそうである。 差し引きすれば増えた分のほうが、圧倒的に多くなりそうな気配である・・・
 壁面とは当然のことながら裏と表があるのだから和室だけで畳五枚分が増えたことになる。 二階は倉庫にも壁塗りをしてもらったから、二階でもその倍ぐらい増えている按配になる。 もし当初の請負額でやってくれるなら、当然のことながら次の物件もその次もこの左官屋と一緒に仕事をするつもりであるが・・・
 階段と和室との境に三角形の隙間が出来ている。 障子戸を閉めれば隠れてしまうのだが、その隙間を木材を相ジャクリして壁を造って塞いでおいた。