階段の移動

 朝から大工さんが来る。 階段を移動する仕事をしてもらうためである。 今の階段の位置は建物のだいたい真ん中にあり問題はないのだが、上り下りする際にうっかりしていると梁に頭を打ってしまう。 もう慣れたから登る時にはうつむいて、下りる時は頭をそらして降りるようになったので頭を打つということはなくなったが・・・以前の住人はよほど背が低かったのだろうか。 それにしても梁にフェルトを貼ったりしてあるので時には頭を打つこともあったのだろうか。 その階段を横へ二尺ほど平行移動するだけで問題は解決する。 と書けば簡単そうな話だが、傷をつけないで外した上に重い階段を移動するというのは一人仕事ではかなり大変な仕事となる。 階段を新たに造るにしてもセットで10万は下らないしなによりも時間が掛かる。 それが大工さんの手間賃一日分で済むならこんな安いことはない。
 一階和室の塗装をしながらそれとなく仕事振りを見ていた。 大工さんは階段まわりの大壁面を一階も二階も全部少しずつはがして階段を言ってみれば裸状態にした。 それらに午前中の大方の時間を掛けて一つ一つ丁寧にやっていた。 階段を外す際はもちろんオフも手伝った。
 階段を二階の框から切り離し下に降ろして、その框部分を傷が付かないように丁寧に外し、天井板や床板や根太をはがし框を移動して取り付ける。 その後オフも手伝って階段をその框に乗せて固定する。 すべて理にかなった綺麗で丁寧な仕事振りであった。
 大工さんには明日もう一日来てもらい、玄関の内側の出入の戸の高さを上げるため、柱間に横に入っているマグサを取り外して、壁を破ってそれを上に取り付け直す仕事をしてもらう。 これは階段のように傷をつけないでやるのは無理だから(両側の柱にホゾ差ししてある)新しいマグサを用意しておいてもらいたいと断っての仕事となる。 
 

 今日の仕事


 一階和室の柱、梁、鴨居などに一回目の塗装をする。