心意気

 昨日おかしなことを書いていたが、ようは職人仕事は時間内にみっちりと、一生懸命やるべきものだ、それを少しでも時間を短く出来た、サボれた、楽をした・・・から自分が得をしたとか、儲かった、と思うのは本末転倒だと言いたかったわけだ。
 人間だから仕事中に失敗することも時々ある。 それのやり直しも時間に数えるようなことをしていては職人として堕落の始まりである。 言ってみれば自分の仕事への誇りに恥じいるような心情を持ち続けることが、良い仕事をすることに通じる。 最近仕事をしながら、そんな心意気を持つ職人になりたい、と思うようになった。

 話は脱線するが、昔、大工さんたちがいつもより遅くまで仕事をしているのを見て、頑張るねぇ、と言うと、いやなぁ、今日仕事をしていると携帯で駅前にガングロが2人いると言うので、ソレッと仕事を止めて三人で車で走ったんだが、行った時にはもういなくなっていた、こいつがどうしても見たいと言うんでしばらくそこいらを車で捜していて時間を潰してしまったんだよ、という話だった。 あはは、な話だが職人連中らしいなかなかよい話だった。
 

 昨日夜田舎へ帰る予定をしていたが、天気が思わしくなく一日延期した。
 帰るのは娘が友達の結婚式に出席するために田舎へ帰るのにあわせたのだが、その娘が仕事の都合で結婚式当日の朝飛行機で田舎へ向かうと言ってきた。 オフは今回田舎で冬支度、雪囲いをするために帰るのだが、日本海側はこの時期お天気の日は少なく、明後日一日だけに晴マークが出ているだけである。 まあ、一日だけだが晴れてくれるだけでもありがたいと思わねばならない。
 

 今日の仕事

 昨日落とした天井裏を下から眺めながら、どのように新しい天井を張るか考える。
 だいたいの構想は決まったいたのだが・・・それは窓際の上は屋根垂木に最初の母屋まで天井板を下から打ちつけていく。 最初の母屋から水平に下地を作ってそこへ板を当てて張って行く、さらに板の下に材を当ててビス止めした箇所を隠していくというものである。 なぜそんな面倒なことをするかと言えば、天井裏の梁の上に天井をして太い梁を見せるようにしたいからだけである。
 いわゆる舟底と言われる天井であるが、二階全体をそのように天井を上げるわけではないので三方は垂直な壁を立ち上げて仕切れねばならない。 その場合下から材を当てるというのはどうもそぐわないような気もする。 そのようにするなら壁の上部にはもっと大きな材を渡して横から来る材を受けるようにするのが妥当だろうが、そうするとやたら面倒な仕事になってしまう。 それに意匠としてするには仕事があまりにも大げさになり過ぎる・・・そんなことを考えていたが、この結論は田舎へ帰りながら考えることにした。
 とりあえずむき出しになった二階の天井の梁や棹縁などを塗装できるように拭き掃除しておく。