冬支度

 はたして和室の建具が敷鴨居の間に入り、スムーズに開け閉めできるのか確認してみた。
 四っの和室の内の玄関横の口の間とその奥の座敷との間に木の帯戸が入るのだが、片側だけにしか引き手が付いていない。 当然口の間側に引き手は来るのだろうが、座敷側から戸を開けたい時は引き手がなくて不便ではなかったのだろうか? 座敷は主人がいる部屋だから、主人たるものは戸を開けたり閉めたりしないもので、そのつど人を呼んで開けさせていたのだろうか? まあ帯戸の場合、引き手が外側の戸の縦框に摺れるという難点があるのだが・・・戸の入れや開け閉めは柱を上げたせいかなんとかスムーズにいった。


 今度の日曜日、娘の友達が結婚をするのだが、娘がその結婚式に出るために田舎へ帰ると言ってきている。
 オフも田舎の家の冬支度があるので、帰らなくてはならないと思っていた。 あいにく今週末は全国的に雨模様であるが、今やっておかなければその内雪が降ってくる。
 昨年は正月にかけて大雪になり、頼んで山の家の屋根の雪下ろしをやってもらった。 だが、その後屋根から落とした雪で窓カラスというかサッシの枠が押されて下へズレ落ちてしまった。  家の表側は雪囲いをしたが裏側はやってなかった。 雪囲いをしておけば被害が出なかったと思う。 


 その点今仕事をしている多可町は海沿いとはいえないが表日本気候である。 それでも内陸部であるから寒暖の差は大きく朝晩は寒いが、日中は日が差すと暖かさを感じる。 それよりも何よりも、冬の朝起きた時に日が差しているのがなにより嬉しい、さあ今日も頑張るか!という気分にさせてくれるだけでもありがたい。 このような地にいったん住んでしまうと、わざわざ日本海側へ行って住もうと思わなくなるのは無理ないことだ。
 

 今日の仕事


 和室の畳下に引いてあった荒板を外へ出して並べて、ブロアーで吹いてゴミや黴を飛ばした。 それを見ながら隣の家の人が迷惑そうな顔をして通っていった。   たしかにゴミや埃が当たりに飛び散るのだから近所の人としては迷惑だろうと思う。

 昔は真夏に畳干しをしたものである。 たんに干すだけでなく、畳を竹の棒でバシバシ、バシバシと叩いて埃をあたり一面に飛び散らしたものだが、夏の風物詩としてとらえるようなのんびりした雰囲気があったものである。 
 この荒板は三分(9ミリ)と薄い板だが、二階のフローリングの下に捨て張りして再利用しようと考えている。 

 午後からは玄関を含めて家の南側と東側の一部の柱や桁などを拭き掃除した。 ぬれた雑巾で拭くと塗ってあるベンガラが雑巾に付いて赤くなる。 拭き掃除をしたのは、左官屋が年内に外壁塗りをしたいと言うので、柱や桁などに塗装をしてしまおうと思ってである。 当地方は玄関まわりを主として一般に外壁を黒や灰色の漆喰やジュラク塗りをした家が多い。 たしかに黒や灰色だと汚れが目立たないと思う。
 また外壁の腰には黒い焼き杉を縦張りした家がほとんどである。 全般に家が黒く見える。 屋根の瓦は灰色で破風板は白く塗っている。
 だが当地でも外壁は白漆喰で、腰板は横張りで行こうと思っている。 拭き掃除をした後、塗料を塗った。 古い家に白漆喰を塗る場合どうしても木のアクが塗った壁に滲んでくることが起きる。 アク止めの意味でも塗装は欠かせない作業となる。