多可町八千代

 玄関から一歩外へ出ると四方に山々が見える。  山々は植林されたヒノキと杉それに雑木であるが、今はその雑木が紅葉している。
 ここ多可町八千代は瀬戸内の海に流れ込む加古川の支流の野間川沿いの町である。
 オフが今居る中野間というのは八千代の中心地で以前の役場までは歩いて10分弱でいける。 と言っても小さな町のことである。 旧八千代町の頃でも人口は6〜7千人ぐらいだったそうで、周辺の中町と加美町と合併しても市制をひけるほどの人口がなく、いまだに多可郡多可町という町なのである。 日本で最初に敬老の日を制定した町だそうだが、さもありなん老人がやたら多いような気がする。 近くに加古川の本流が流れる西脇市がありここは昔から織物が盛んな市であるが、その関係で多可町も家内工業で織物をやっている。 しかし、昔は沢山あった織物業も今は時代の流れで十分の一以下になってしまったと言う。 オフの今リフォームしている家も織物業を隣の倉庫でやっていたのだが、倒産して競売に出された家である。  
 だがここの裏側の家はまだ横の小さな倉庫で織物をやっている。 しかし織物機械は今はコンピューターで管理されていて一台一千万円を越える高価な機械だそうだ。 それでも糸が切れたりすると繫ぐのは人力でやるしかなく、向かいの家のオバサンなどはその作業のため朝5時ごろから裏の家の倉庫へ出向いている。
 全体にのんびりした感じがする町のような気がする。  



 今日の仕事


 昨日入れたテラスサッシの下の枠が気に入らなくて取り外す。 先日切り取った柱を大きさに切りそれをブロックの基礎の上に横に置き、室内の床までの高さがたりないので三寸五分の材を二寸ほどに縦引きしてそれを上に乗せる。
 お母屋の下屋の外側にさらにトタン屋根の低い下屋が出ているが、その端っこの垂木を受けるモヤがどういう訳か入っていないので、三寸の角材で柄と共に取り付ける。 これで玄関横の細長い部屋の仕事はサッシを注文して取り付けるだけとなった。 リビングの構想がまだ決まらないので二階の床張り仕事に取り掛かろうかと思っている。 二階は八畳と四畳半の部屋に畳がひいてあるがこれをフローリングにする。 それに一階の天井板がむき出しになって見えている四畳半と六畳の部屋があるがこれらも床を張ることになるだろう。 

 ボヤが出た時に焼け焦げた柱や桁、垂木などにサンダーをかけて焦げ目を落とす。 防塵マスクをしていても飛び散った煤で鼻の穴が黒くなってしまう。 
 先日落とした壁土がそのままの状態で置いていたのを、一輪車に少しずつ積んで空き地に棄てに行く。 壁土は重くこの作業で息が上がってしまい、壁土全部はとうてい運べなかった。 早めだったが4時に仕事を終える。