近所の家々

 涼しいを通り越して、肌寒い。 昨日まで短パンにランニングシャツ一枚の姿で仕事をしていたのに、今日は半袖シャツの上に長袖のカッターシャツ、長ズボン姿でちょうど程よい感じである。 どうやら今夜は寝る時にすべての窓を開けっぱなしにして、という訳には行かないようだ。
 ここへ来て仕事が停滞気味である。 なかなか思うようには進んでくれないものである。 これまでのテラスサッシの仕事でも、外壁の腰板張りの仕事でも手間取ってしまっている。 それにこれからの階段仕事も少し厄介になりそうな雲行きである。

 近所の人に話の続きだが、まずこの家の道を挟んで横がここの家の前の持ち主の新しい家で、時々話しに出てくる婆さんがいて、嫁さんと仲が悪い家である。 すぐ下の府道沿いでガソリンスタンドを経営している家である。

 その向う隣が冬の頃時々出ていた変なオジサンの家で、隣の前の持ち主の親戚筋で、足の悪い奥さんと二人暮しである。 この変なオジサンは以前は造り酒屋に勤めていたが盗み酒をしすぎてアル中になってクビになったという経歴がある。 今は瓦屋へ行って職人達の手元をしている。 最近、頭にいくつもの円形脱毛症が出来ているが、こんなどちらかと言えばお目でたい人でも悩みがあって円形脱毛症になるのだろうか?不思議である。

 その向うがタレントの鶴瓶が少し痩せたような顔のオッサンの家で、時々オフの仕事場へ来ては現場監督のようにワァワァとうるさい。

 その上も元学校の先生の家である。 何の先生をしていたのか知らないが、噂では株で大儲けをして何億というお金持ちらしい。 お金持ちの家だが、先日オフが用で訪ねたときはやはり先生をしていたという奥さんが肥え桶にウンコの汲み取りをしていた。 畑の野菜の肥料にするためらしい。

 その先生の家から少し離れて手前の家が先日書いた元音楽の先生の家で、オフの家のすぐ上にあたる。

 音楽の先生の家から少し坂を上って右手の家が、京都在住の人の家で畑仕事がしたいということでわざわざ萱葺きの古民家を買って、別荘代わりに使っている。

 さらにそこから登って行くと坂の途中に何軒かの家があって、時々そこらの家のお年寄りが横の道を登っていくが、どの人がどこに家の人かまったく知らない。

 オフの家から下の家もやはり退職した先生の家で、その回りの庭にはチリ一つ落ちていないし雑草一本生えていない。 よく隣の芝生は綺麗だ、というが、本当に見事なくらい青々と完璧に綺麗なのである。 その芝庭の真ん中に最近ほぼ水平に敷石がひかれ、上に藤棚が作られ、青銅器製の椅子とテーブルがピッタリとと置かれている。 この下の家の人とはオフはあまり馴染みではない。

 その向う隣が、仁王窯という名前の陶器の焼物をしている家で、わざわざ沖縄からこの地に移り住んだ人らしいが、まだ顔をあわせたことがないので顔も知らない。

 

 今日の仕事


 昨日に引き続き今日も雨、夕方からは雷を伴って激しく降る。 
 午前中やや小降りだったので、外壁の仕事腰板を一段嵩上げしたが、どうもまだ心持低い気がするので二段目も嵩上げした。
 縦枠の部分は取り外して作り直すことにする。 木材を買いに行き、ついでに階段に使う破風板二枚も買ってくる。 どうやら明日も雨らしいので内部で出来る階段仕事に入ろうと思う。 雨が一時やんだので雨樋を取り付け始める。 その仕事している内にだんだん雨は激しくなってくるが、途中でやめることなく一応仮止め状態だが、取り付けを終える。 しかし、最後はずぶぬれ状態だった。
 腰板の縦枠を作りに掛かるが、三寸五分の材を縦に挽き割って作るのだが、材木を縦に丸ノコで切るのはなかなか上手く行かない。 それに沢山の切り屑の粉が出るのだが、最近は桧の切り屑の粉にややアレルギー気味である。 必要な厚さの材を注文することにした。

 階段作りの寸法決めをする。 ところが二階の間口が広くないので踏み板の奥行きが狭い結構急な階段になってしまう。 建築基準法では踏み板を150ミリ以上と決められているが、その基準ギリギリの150ミリにして、しかも上り口の下三段は90度回りながら登る階段になってしまう。 間口の狭くても幅があれば途中で180度回転する踊り場式の階段に出来るが、これは幅がなくて駄目である。
 最初は側板を二本ななめに掛け渡して、それに踏み板を水平に渡す簡単なものを考えていたのに少し厄介なことになってしまった。 結局一本柱を立ててそれを回るようにして三段上がり、そこから側板に沿って真直ぐ上がるというタイプの階段にすることに決定した。
 腰板の縦枠を作ろうと思って買ってきた三寸五分の大引き材を柱として使うことにして、とりあえず垂直に立てて仮止めしておいた。