嫁と姑

 朝晩すっかり涼しくなって、ランニングシャツの上に半袖を着ないと寒いくらいである。
 朝方は冷え込むので、風のない日は近くを流れる上林川の朝霧が立って、まさにあたり一面は乳色の世界である。

 スーパーに寄ると新モノの秋刀魚が売っていた。 大振りなものが二匹で200円、今年も秋刀魚は豊漁のようだが、ツマに付ける大根のほうがかえって高いくらいである。 買って帰ってさっそく塩焼きするとジュ〜ジュ〜と脂が乗って美味しい秋刀魚だった。 今の時期太刀魚もメチャ安い。 こちらは塩を振ってそのまま冷蔵庫で乾かして、干物にして食べるのがオフの最近のマイブームである。 骨に沿って横に包丁を一筋入れておけば後で食べやすい。

 時々夜中に目が醒めて、缶ビールを飲みながら虫の声に耳を澄ます。 嬉しいことにこの地はほとんどの秋の虫鳴き声が訊ける。
 ここ二、三日はくつわ虫がガチャガチャとやたらうるさいが、コオロギはもちろん、マツムシ、鈴虫、鉦タタキなどそれぞれが、メスを呼ぶ鳴き声を張り上げている。 メスはその鳴き声を訊いて、この声なら間違いない立派なオスだなぁ、などと思いながら近づいていくのだろうか・・・

 女に家と書いて嫁で、女に古いと書いて姑である。
 隣の家では、夕方嫁さんが洗濯物を取り込んでも、すぐ横に干してある婆さんの布団を取り込まない。 もう薄暗くなってから婆さんはぶつぶつ言いながら一人で布団を取り込んでいる。 まあ、これまでの数々のいきさつがあるのだろう。


 今日の仕事


 外壁のはみ出した漆喰のバリ取りをしてから二度目の塗装を済ませた。 外壁仕事はこの先、下部に下見板を張りめぐらすだけとなったので、西側に組んであった単管の足場を解体した。 その後縁側のテラスサッシと床板との間の隙間に板を削って埋めて一続きにする。 床板が真直ぐに切れていなかったので、隙間がところどころあるがこれ以上のことは出来ない。
 午後からサッシと柱の隙間にナマズ型の板を入れたり、サッシ上部にサッシを垂直にするため入れた板と鴨居の間の隙間をコーキングして埋めたり、化粧板を張ったり、雨樋を付け直したりした後サッシ戸と網戸を取り付けて一応これでサッシ関係の仕事は終わった。 その時が4時ぐらいの時間だったが、最近はそれくらいの時間になると集中力が急に落ちてくる。 夏の疲れが出ているのだろうか、細かいような、頭を使うような面倒な仕事はとにかくやりたくない。 そこで買い物に出かけることにした。 この後、土蔵の周りにブロックでぐるりと囲い込んで、ブロックと土壁との間にセメントを流し込んで、とにかく土蔵の下に水が入らないようにするのだが、そのためのブロックをとりあえず50個買ってきた。 現在は土蔵の周りの犬走りはセメントをしてあるのだが、土壁との間に水が滲みこんで、土壁がえぐれて来ているのである。