鳴神

 夕方に雷が鳴りそれ以降回線が通じなくなった。 この家だけの問題か、それともこの周辺が全部そうなのか明日にならないと分からない。 とにかくオフラインで日記だけを書いておく。

 朝起きた時から暑くなりそうな予感があったが、案の定でお昼時にはムッとしていて気温が30度近くになっていたのではないだろうか。 そんな中でも昼食を食べた後、ソファーで昼寝をした。 夕食の後もしばらく眠った。 とにかく疲れているのだ。
 朝一番に舞良戸の板面に二度目の塗装をしている時に配管屋が来た。 浄化槽へ配水管を繫ぎこみに来たのだ。 家の内外で人が来てごそごそやっていると気が散るので、遅れ遅れになっている梁や柱の掃除にかかる。 床、天井、壁とほぼ完成しているので、脚立に上がって雑巾で静かに水拭きしていくしかない。 一度梁をなでるだけで雑巾にべっとりと真っ黒の煤が付いてくる。 パラパラとす乾燥した煤がはがれて落ちたりもする。 
 とにかくキタナイという以上のものである。 近所の人が、ここの家が大掃除をしているのを一度も見たことない、とわざわざ教えてくれたほどの家である。 ところがここの家の婆さんは先日、嫁に来たときは柱や板壁を顔が映るくらいピカピカ黒光りするまで磨かされたものだった、と自慢そうに言っていた。 と言うことは裏返せばしゅうとめが居なくなって自分の代になってからは、全然掃除をしていないということだろう。 
 だが一方では掃除をしてない後ろめたさが強迫観念になって、お金を掛けて新建材をベタベタ張って梁や柱を隠すことを何度も繰り返していたのではないだろうか・・・。 まあ、昭和40年代頃からモーターリィゼイションが急激に伸びて、当時はガソリンスタンドはどこでもウハウハだったろうから、旦那が早く亡くなって女所帯でもあり誰も何も言わない、後ろめたさを誤魔化すためには金に糸目はかけなかったのだろう。


 夕方からあたりが急に暗くなり、雷が鳴り出し、それがだんだん近づいてきてついにはピシャッとどこかに落ちる強烈な音がした。 その内に旋風のような風が吹き始めたかと思うと、続いて激しい雨が降ってきた。 たまたま開いていた玄関の戸から雨が三メートル以上も雨が吹き込んだ。
 あわてて窓を閉めて歩いたが、リビングへ行くとなんと!雨漏りしているではないか!
 どんなに素敵な家でも、雨漏りするような家う売りに出すわけにはいかない。
 ここの箇所は昨年の初雪のときも雨漏りした箇所で、その時はまだ外部だったが今は取り込んでリビングの一部になっている箇所である。
 手当て用の波板なども買ってあるのだが、母屋と納屋との繋ぎの部分で狭い箇所なのでついつい仕事が後回しになっていた。
 明日にでもさっそく屋根に上がって補修をするつもりであるが、狭いだけに結構難しい仕事になりそうだ。
 
 

 今日の仕事


 舞良戸に二度目の塗装をする。
 リビング、ダイニング、キッチンのむき出しになった梁や柱を水拭きしていく。
 和室に移ったがそのあたりで嫌になって明日またやるさと中止。
 再び建具の塗装に移り、舞良戸の塗装の続きをして二枚とも終わらせ、その後腰付き障子戸の枠に一度目の塗装をする。 とにかく腰板の部分と、枠の部分と色を変えるので、その境目を細い筆ではみ出さないように塗るのが面倒なのである。