五右衛門風呂

 月曜日に田舎へ帰り、今日木曜日にこちらへ帰ってきた。 草刈があったのでいつもの滞在より一日長く4日間田舎にいた。
 最初の日は、着いたのがもう薄暗い時間だったので、すぐ山の家へ向かった。 山の家では最近になくよく眠った。 明け方テッペンカケタカと鳴くホトトギスの声で目が醒める。 コンビニのオニギリとアサリの味噌汁で朝飯をすませ、さっそく家のまわりの草刈を始める。 その後自宅へ戻り、今度は庭や畑や果樹園の草刈をやる。 気候のせいだろうか今年は例年より草の生えようが少ない気がするがありがたい事だ。 思ったより草刈は進んで夕方までにはあらかた刈り終わる。 お昼に母親から帰っていると聞いた不動産業を営む同級生が訪ねてきて、ニュースなどで景気が上向いたと言っているが、それはどこの話だと言うくらい分譲地をはじめ不動産が動かない、値は最低だというのに・・・とボヤいて帰っていった。
 そういえばオフも毎日のようにネットで古民家の売買状況をチェックしているが、昨年の秋頃から古民家の売買の動きが少ない。 五月の連休あたりに売れるのかなぁと思っていたが、たった3〜4件の売買が目に付いただけだった。
 次の日は午前中運転免許の書き換え。 これまでオフは無事故無違反5年以上のゴールド免許だったが2年ほど前小さな違反、一旦停止とシートベルト違反が続いて、今回は二時間の講習を受けるブルーの免許に戻った。 午後からというより夕方に一時間ほど山の家の草刈をして、今回の帰省の用事は全部終える。
 夜、五右衛門風呂に入り、天井を見上げながらこの風呂も数年前全部自分の手で造ったなぁと悦に入る。
 床下は厚いモルタルの上にテラコッタタイル張り。 壁もヌキとヌキとの間にもシージング・ボードを入れたし、モルタル塗りをした上に砂漆喰を塗り、仕上げは漆喰の二度塗り。 天井は4センチもある水に強いウエスタンレッドシーダーの雇いサネ張りである。 もちろん壁や天井は分厚い断熱材ですっぽりと巻いてある。 釜戸との窓も今ではめったに見なくなった手作り無双窓と凝っている。 なお五右衛門釜のまわりは耐火レンガと耐火モルタルの上に漆喰塗りをして仕上げてある。 この仕事は時間にたっぷりの余裕があったので、配管仕事、釜戸造り、煙突なども含めて全部オフの手作り仕事で、凝りに凝った作品と言えるような贅沢な風呂である。
 この先オフがまた再び風呂を造ることがあるだろうか・・・この山の五右衛門風呂がオフの最初で最後の手造り風呂となるような気がする。