もうすぐ夏至

 気が付くともう六月も十日を過ぎている。 後十日あまりで今年も夏至である。 スローナイトといって、この夏至の日にせめて二時間だけ一切の電気を切って過ごそう・・・という運動がしばらく前から静かに広まっている。 オフも昨年まではそのようにしていたが、ここ何年か一人暮らしが続いているので電気を切ってもどうと言うことはなかった。

 これが家族がいるとこの試みは微妙な問題をかもしだすだろう。
 お互いに相手の存在をどうしても意識せねばならなくなるからだ。 それに、普段はテレビに向かっているお互いの目の行き場所がなくなるはずである。 そしてなによりもTVの音がなければ・・・静かである・・・静けさにお互いが耐えねばならないだろうが・・・それよりも静けさの中で黙って過ごすのはなかなか至難の業である、どうしても何か話し合うしか間が持たなくなるだろう。 はたして家族の中で普段話さない人たちは二時間も話が続くだろうか・・・電気を点けた時、ほっとするだろう・・・電気のありがたさというより、お互いに如何に普段向き合うことがなかったことを思い知らされながら・・・だが・・・


 今日の仕事


 流し台のカウンター作り三日目。 
 午前中隣の家の人が来て蔵の中のものを運び出すというので手伝う。 先日、一階にあったものの半分は運び出したのだが、今日は二階にある衣類、布団その他などを運び出した。 まだ二階には長持三箱、箪笥が二個など大きなものが中身が入ったまま残っているが、今日のところは運び出したものを片付ける手間があるのでここまでで中止。 途中で傍目かまわず婆さんとその息子と大きな声で怒鳴りあったりして・・・何ともなぁ・・・。


 運び出しが終わって、ホームセンターへ買物に出かける。
 何を買ったかといえば両側にネジを切ってある鋼材の棒とそれに入れる幅太のナット。  つまりカウンターがL字形に繋がるところに、その鋼材の棒を横からあけた穴の両方に差し込んで両方の天板の裏から開けた穴でナットを入れて、両方から締めようという魂胆である。 こうしておけば下から覗かないかぎりその細工はまったく見えない。 ただ横から開ける穴がお互いに真直ぐになるかだけが問題であるが・・・。 結果はどうだったか・・・ピッタリとまでは行かないが、なんとか繋がった。 ピッタリといかないのはお互いの板の断面が真直ぐに切れていないからである。 木工機械でもあればそのへんは何とかなったのだろうが、手で持つ丸ノコと電動カンナだけでは、その上オフの腕前ではなぁ・・・つまり、このあたりが限界ということなんだ。
 さらにしつこく言い訳するが、丸ノコは厚い板を切る場合上から見て真直ぐに切っていても、どうしても刃が内側に傾いて、断面が斜めになってしまうものなのだ。 そこへカンナを掛けて真直ぐにすればよさそうなものだが、天板は両ヘリに曲がった耳が付いているので少し食い込ます形で繫いでいるので、そこにカンナを掛けようがないのである。
 カウンターを台枠に乗せたが、ビスや釘で止めていない。 重いので簡単に動かないが、ただ乗せただけでは横にずったりして危険なので、台枠の上部に長い木材を上から見てL字形に取り付けて、天板の裏にもそれに見合うL字形に溝を掘っておいて、天板を台枠に乗せたら、ピッタリとはまって、今度は<おめでとう!オフ君>となった。