崖のスミレ

 今日は一度も差し金やメジャーや丸ノコを持たなかった。 
 主として廃材の後片付けをしたわけだが、仕事を離れてみると疲れが溜まっているなぁと思った。
 仕事をしている時は、とにかく今日中にここまでやらなければ、という一種の勢いでやっていて疲労など入る余地がないが、少し仕事を離れてみると全身の重い疲労感がある。 考えてみれば神戸から帰ってきて20日間ほど休みなしで来ている。

 廃材を積んで峠越えで舞鶴へ行ったのだが、途中の道端の崖にスミレが群生しているところがあった。 重い荷物を積んでいるので車は上り坂ではスピードが出ない。 道端に車を止めてしばらく風に揺れる可憐なスミレの花をぼんやり見とれていたが、明日からいよいよ壁塗りだ、と自分に声を掛けてスターターを回した。 
 

 今日の仕事

 
 ここ何日間の仕事の箇所に塗装をする。
 その後軽トラの冬タイヤを外してタイヤを入れ替える。 毎年、春彼岸の頃にタイヤを入れ替えるのだが今年は一ヶ月ほど遅れたことになる。
 玄関の外の軒下に積んであった廃材を合板と材木とに仕分けする。 床として使われていた合板は表に樹脂系の床材が張られているので、それを剥がして軽トラに積み込む。 床材は三種類あって多分接着剤の種類によるのだろうが、硬く接着していて剥がしにくいものがある。 どちらかといえば古い時期のもののほうがむしろ剥がれにくい。 やっているうちにだんだん疲れてきて全部剥がさないで積み込む。
 廃材は焚き物にするために貰ってくれる人がいるのでまとめて庭先に積み、合板だけを舞鶴の処理場へ運ぶ。 舞鶴へ行く近道の菅坂峠の新しい道はまだ開通していなかった。 たしか今年三月完成予定だったと思ったが、どうやら工事が遅れて8月に延期になったもようである。
 当地方はこの冬、何十年ぶりの大雪だったからだろうか・・・いずれにしろ予定は遅れるものなのだ。
 処理料金は合板は単価がキロ20円でが、全部で310キロもあり6500円も取られた。 舞鶴市の処理場は民間の会社が経営している処理場でこれでも安いほうで、京都府がやっている処理場へ持っていけばキロ30円も取る。
 いよいよ明日から塗り壁仕事である。 綾部市の建材店へ行って外壁用のメタルラスと下塗り用の壁材を買ってきておいた。