住まい

 今日は結局出入り口の高さを上げる仕事をしたのだが、このような仕事が次々に出てくるので思うようには進まない。
 五月の連休前に仕上げるつもりが、これでは連休前に壁塗りになんとか入れるぐらいである。
 なにせこの家は、前の家人古民家が嫌いで新建材モノをベタベタ張って、なるべく古いものを隠すように隠すようにしていたので、それを壊し本来の姿を出すのが主な仕事だった。 今日もダイニングにあったエアコンを一台廃棄するつもりで外した。 この家には四台のエアコンが取り付けられていた。 その内三台は独立した配線は残っているがオフがすでに外してしまった。 昨夏の9月のまだまだ暑い日をこの家で過ごしたが、山際に建っていて南北方向にまことによい風が吹き抜ける家で、畳の上でお昼を食べた後の午睡を何度か楽しめた。 今回はそこまでの仕事はしないが、この家の残りの一台のエアコンも寝室にあるのだが、南北方向に開口窓を付ければ取り外せるだろう。
  床、天井、壁と壊したが、出た材木は全部米松かエゾ松でほとんどが下地材であり、それの上に新建材を貼り付けていたのである。
 その以前の家人は道を挟んで向かい側に新しい新建材ベタベタの家を建てて住んでいるが、各部屋にエアコンがあるのだろう、7〜8台の室外機がずらりと並べている。 <住む>ということに対する考え方の違いだろうが、その隣のおばあさんが先日張ったばかりの無垢の杉の床板の上に靴を履いたまま乗って、この上に何を引くのか?と訊くのであきれてしまった。

 
 今日の仕事


 寝室、トイレ、風呂の出入り口の高さを上げる。
 リビングにある寝室への出入り口がある面は大壁になっているので、まずその壁を剥がすことから始めた。  胴ブチの壁下地の上に前々回の壁である化粧ベニヤが貼られていて、その上にコンパネを貼ってさらに石膏ボードを当ててクロス張りになっていた。 今回は床面がもう仕上がり状態なので前のように乱暴な壊し方は出来ない。 少しずつ丁寧に壊していったが、午前中一杯かかってしまった。
 午後からは風呂、トイレへのダイニングからの出入り口の上の部分を壊した。 新しくトイレにした出入り口は、以前は勝手口へ続く土間への出入り口で、両開きの引き戸が入っていた。 そこの鴨居は傷つけないで外して高さを上げてまた使おうと思ったが、わりと丁寧な仕事がしてあるのでこれは・・・と思ったが、壊してみると案の定両側にホゾが付いて両柱に入っていた。 と言うことは鴨居は傷つけないどころか真ん中で真っ二つに両断して外した訳である。 風呂への出入り口の上の部分は厚く塗ったモルタル壁で、デスクグラインダーにダイヤモンドホイールを付けて切るが安物のホイールではなかなか切れない。  モルタルの切りくずが舞い上がり部屋中ほこりまみれであるし、おまけにタイルが何枚か剥がれ落ちたりした。
 その後出入り口の鴨居を作るがトイレの鴨居だけが片引きで一本の溝を切り、後は無目の鴨居である。 と言うことはトイレは真ん中に半柱を立てることになる。 風呂の脱衣場への出入り口はこれまでドアであったが、古民家にドアは似つかわしくないので片引きの戸にするのだが、柱間が狭いので壁の外側に別に敷鴨居を取り付けることにする。