京丹波町へ行く

 天気予報では今日は雨の予報が出ていた。 朝のうち3時か4時ごろ布団の中で雨の音を聞いて寝ていたが、朝起きてみると雨は上がっていて薄日も差していた。 雨ならキッチンの流し台の下の床面に嫁さんに塗装をしてもらおうと思っていたが、晴れてきたので二人で京丹波町の古民家風注文住宅、丹波庵を見に行くことにした。 京丹波町に行くには国道27号線を由良川沿いに走り和知町を通り抜けていく。 京丹波町京都府でいえば究極の隠れ里といわれる美山町と並ふ高原の街で、それらの街特有のからりと明るい感じがする。 そこに町外れの昔ブドウ園だったという所だが、ログハウスや別荘風の家などと共に丹波庵の寄せ棟の家が二軒並んで建っていた。
 二軒とももう人が住んでいて、お昼時だったがお邪魔して中を見せてもらう。 まさに新築の家を古民家風にこだわって建てるとこのような家になりますよ、という見本のような家である。 だが、編んだ網代天井ひとつをとっても、あまりにも整いすぎていて工場で作りましたという感じでどこか味気ない。 その他アルミサッシを木でサンドした玄関戸なども、工業的に作られた建材だなぁという感じが抜けない。 現代風だが古民家というような家が好きな人にはたしかに良い家だと思うが・・・この家を見て嫁さんは、化学調味料で味付けした料理のような家、といみじくも表現した。
 これならばオフの目指す家とは強力なライバルにはならないだろう。 どちらかといえば本来の古民家とは畑違いの家であり、その他の新築の注文住宅がライバルとする家だろう。
 その後、先日オフ一人で見に行ったロケーションの良い高台の家を見に行く。
 嫁さんは思っていた以上痛んでいる家だし、古民家特有の訴えてくるものがもうひとつ足りない、と言うような表現を使っていた。
 たしかにそうかも知れないが、オフは前に見た時よりは少しはましな家になって見えた。
 案内してくれた不動産屋の話では、すぐに住めると思った人たちがロケーションに引かれて見に来るが、リフォームに少なくとも一千万円ほどかかると言うと尻込みしてしまうという話である。



 今日の仕事


 今日はたいした仕事はしなかった。 嫁さんが神戸へ帰った後、大壁の端っこの柱との取り合いの箇所に壁止めの仕切り板を入れる。
 大壁の場合柱より壁面が室内側へ、つまり前に出てくる。 大壁の場合本来なら柱は壁の中に隠れてしまうのだが、リビングは大壁と真壁の両方の壁があるのでそのようなややこしい仕事が出てくる箇所もあるのである。
 これで壁下地仕事は終わったともいえるのだが、気に入らないところがある。 それは風呂、便所、寝室への入り口の高さが低いのである。 古い日本建築の場合、敷居と鴨居の間は5尺8寸(176センチ)と決まっていて襖や障子などの建具の高さもその大きさであった。 ところがここの家の風呂や勝手口の出入への口は5尺6寸(170センチ)前後で、身長が178センチあるオフにはうっかりしていると頭を打つことがある。 前の家人は皆背の低い人ばかりで問題はなかったのだろうが、もしこの家に次に住む人が背の高い人だと不自由するのは目に見えている。
 出入口の高さを上げる場合それらの場所の外側がモルタル塗り壁で、壊すとき少し面倒な仕事になるし、当然だが建具は間に合わなくなる。
 さて、どおしたもんだべなぁ、と思っていたが、やはりこの際だ、高さを上げておくべきだろうなぁと思っている。