多可郡の家

 どうも先日見てきた多可郡の農家のことが気になっている。
 家は別にして土地だけで坪当たりの値段が3万円弱だし、横についている100坪あまりのガランドウの倉庫は、近所の工務店が月5万円で借りたいと言って来ているという。  オフの田舎でも、宅地で坪三万円以下というのはめったにない条件であり、値段である。
 嫁さんの友達の不動産屋も電話で、それはすぐにでも売れそうだねぇ、と笑いながら言っているという。
 相手をした仲介人は、値段のほうはまたご相談に応じます、と言っていたので、少し早いなぁと思いながら一昨日の朝こちらから電話してみた。
 こちらから連絡したせいか、それとも他にも引き合いが来ているのか、仲介人ははやや強気になっていて、値段の相談でしたらここで電話でという訳には行かないのでもう一度お会いした上で、との返事だった。 向こうのペースに入るまいと、生憎忙しくて来月の十日頃まで休みを取れない、と返事をしておいたが、その間に誰かが買い手が付くなら、それはそれで致し方ないとあきらめることにする。
 まだ最終的に気持ちが決まったわけではないが、たとえこの綾部の家が完成前で売れていなくても、先に手金だけでもうっても良いかなぁぐらいに考えが動き始めている。


 今日の仕事

 入れなければならない梁がもう一本残っているが、これは既存の柱を切って抜き取るという作業と同時にやることになるので、結構面倒だし後回しにすることにした。 最近どちらかと言えばややハードな仕事をしているので、今日は天井板の塗装をすることにした。
 一度目の塗装は先日変なオジサンがやってくれているので、今日は二度目で仕上げの塗装である。
 オジサンはおおよそ一日がかりで一度目の塗装をしていたので、少なくとも午前中一杯はかかると思ったが、お昼1時間前に終わった。
 それに塗料もおじさんが使ったぶん位を見込んだが、それよりかなり少なめで済んだ。 オジサンは余分な塗料をべたべた塗っているので、それが板を乾かす時に下に垂れて結構床を汚したりしている。
 職人の熟練度によって給金にも差がつくというのは、このような事実を見ればしごく当たり前のことだなぁと思う。
 そのオジサンだが最近は姿を見せない。 手元をしている瓦屋の仕事が本格的に始まったのだろうと思う。

 その後午後に掛けて昨日の仕事の梁に二度目の塗装を済ませ、玄関やダイニングの壁下地の上にラスボードを張る仕事をする。
 古民家の場合梁や柱などに自然な曲がった材を使っているので直線の箇所は少ない上に家が傾いていたりするので、ラスボードを切るのもそれに合わせなければならない。 これが思っているより結構手間取る仕事なのである。 

 明日は今日の残りの仕事を済ませて、塗料が乾いている天井板をダイニングの上にさっそく張り始めようと思う。
 二月は残すところもう明日一日だけである。 二月逃げる、三月去る・・・などと言うが、明日で今年の六分の一は終わったことになる・・・天井板を張り終わって・・・床を剥がしにかからねば・・・と先の仕事の段取りばかりが頭の中を駆け巡る毎日である。