進まない

 田舎へ帰る前に、軽トラに積んでおいた石膏ボードは留守の間に積み替えて運んだのだろう無くなっていたが、玄関の天井に張られていたボードだけはそのまま残してあった。 このボードは吸音板というものだろうか、正式な名前は知らないがとにかく既製の天井板である。 何だか知らないが、これはこれでまた別に処分を頼まなければならないと言うことなのだろうか、最近の処理業者は小難しいことはなはだしい。

 午前中は仕事をしていて熱くなり一枚シャツを脱いだが、夕方から小雪がちらつきぐっと冷え込んできた。
 また冬型の気圧配置になり寒気が入ってきたのだろう、が冬型は長続きしないで明日は西から高気圧が張り出してくるらしい。
 まだまだ二月は冬のうちで寒い日もあるが、寒さが長続きしなくなってくる。 たとえ雪が降っても、日が差すと新たに積もった分はすぐ消えてしまう。  それでも根雪はなかなか消えないが、それも日本海を低気圧が発達して通り南風が吹きフェーン現象が起きると、根雪はまさにガサッと音を立てて減る。 北国ではその時が待ちに待った春がついに来たと実感する時である。


 今日の仕事

 午前中リビングの天井の大引きの下部に大引き受けの丸太を取り付ける。 リビングの天井は真ん中に梁が横に渡っているのでその梁で二つの部分に分かれる。 取り付ける丸太材も二つになるので、その分軽くなり取り付けとしては楽になる。 それのこの仕事はダイニングの天井でもやっているので、要領が分かっている。
 午前中一本を取り付け、今日でこの仕事は終わると思っていたが、午後からその前に壁をなおさねばならない箇所があってそれに手間取ってしまった。 この箇所は天井裏に豚でも通れそうな大きな穴があいていて、その箇所を天井裏にもぐり込んで寝転がって仕事をして苦労してふさいだ箇所である。 その時は内部から板を適当に切って内部から当てて塞いだだけだったので、今回はちゃんとしたものにすることにした訳である。
 この箇所は狭くて外部から仕事が出来ない箇所で、しかも寄せ棟の隅木の周辺で上部は屋根垂木である。 しかも電気の太い引き込み線が斜めに入って来ていて、とにかく仕事が難しい場所である。   ラスカットボードという防水になった板を外部に向けて張り、その下に一応防水シートを当てて、その内に板を張りそれでもって外部壁として、その内側にラスボードを張り壁を塗るつもりである。 どのように仕事をしたかといえば、まず五枚の板を上部の隅木や垂木に合わせて切り、それを並べて穴の形を出し、ラスカットボードをその形に合わせて切りそれを内部から外部に嵌めこみ、アスファルトシートも同じようにして切ってボードの内側にあて、さらに五枚の板を並べる。 さらにその内側に大きさに切っておいた垂木で枠をし組み、その枠をビスで止めてから外壁全体を内側からビスで止めていった。
 とにかく外部から仕事が出来ない箇所に外壁を取り付けるのはかなり高等技術がいる。 午後一杯かかって、たかが豚一匹通れそうな穴に外壁を取り付けた訳である。 いっこうに全体の仕事ははかどらないし、こんな仕事をしているとなんだか腹立たしくなってくる。