雪の被害

 北陸道をひた走り、敦賀からさらに国道27号に入り若狭路を走り、大飯から山越えで綾部に向かうのだが、大飯で疲れの限界で、車をバスの乗車スペースへ入れたかと思うとあっという間に眠ってしまった。
 この年になると2時間以上の連続運転はこたえる。 以前のように今回はまだ腰が痛くまではなっていないが、その前兆だろう腰が重い感じがする。
 山の家は頼んで雪下ろしをしてもらっていたので、屋根の雪こそ50センチぐらいでたいしたことはなかったが、落とした雪で裏側の窓が壊れていた。 窓ガラスにヒビが入っているだけでなく、サッシの下部が壊れて窓が下へさがってしまっている。
 雪を落としたときはまだ大丈夫なのだが、その雪が下にズル時に窓も一緒に下へ押し下げるのでこのようなことになる。 この対策としては窓に雪が密着しないようにあらかじめ板を横に何枚か当てて窓を保護しておくしかない。 自宅のほうは毎年それをやっているのだが、山の家は屋根に雪止めがあるので、それをしていなかった。 下の家が二階の屋根垂木が折れたことを思えば、この程度の被害ですんでまだよかったと思うしかない。 
 雪が消えてからサッシを注文して、新たに付け直すしかないだろう。

 なんというか今回の帰郷で二晩山の家で夜を過ごしたのだが、すごく落ち着くのにあらためて驚いた。
 昔この山の家を手がけて一年目に先の妻が亡くなって、この先この家をどうしようかと思い迷いながら雪に埋もれた山の家へ来たことがある。 その時天井の大きな梁を見上げてどうあろうと改装を続けようと決意し、身体の奥のほうからふつふつと力が沸いて来たことがあった。
 今回も薪が燃えるのを見ながら時間が経つのを一人じっと味わうと言うか、周りに人の気配がないことが、自分にとってはこんなにも安心なことなのかなぁなどと思い、終の棲家をここに定めたことは間違っていなかったなぁ、とあらためて思う。