マグサ、納まる。

 朝起きると雪がまた20センチばかり積もっていた。 ようやく消えたと言うのに・・・真っ白である。
 明日が田舎の病院の3ヶ月に一度の受診日である。 オフは高血圧で血圧降下剤を毎朝二錠飲んでいる。
 今日お昼前に田舎へ帰る予定をしていたのだが、とにかく雪の高速道の運転は神経を使い疲れるので、病院に電話を入れて予約を来週に延期してもらう。 
 今日でこの家の改装仕事をはじめて5ヶ月である。 当初の予定では半年間で仕上げると見込んでいたから後一ヶ月しかないことになる。
 二月は短いので実質もう一ヶ月を切っているわけだ。 和室の四部屋は後内壁を塗るだけぐらいに仕上がっているが、リビング・ダイニングは床も張ってないし天井も壁もまだ終わっていない。 床下には床暖房を組み込む予定である。 便所などはまだ手付かずどころか、設計図すら頭に描けていない。 それに1坪ぐらいだが外部を内部に取り込みリビングを広げるつもりもしている。
 一昨日建材屋の紹介で建具屋が見積もりの下見に来ていったが、まだまだですね、と言うので、三月完成だよと言うと、ニヤリと笑ってがんばってください、と言って帰っていった。
 今の時点で工期を延ばすのではなく、後一ヶ月でどこまで出来るかわからないが精一杯やってみるつもりである。
 後のことは後のことだ。


 今日の仕事

 足場の上にいったんマグサを外して、水平器を縦に当てながら柱と差し鴨居を鑿でハツリ垂直な面にしていく。
 もう一度挑戦であるが、今日は一人での仕事なので慎重に進める。 片側を差し鴨居の上に乗せ、もう片側の下にジャッキを当てて持ち上げ、その都度木のコロを入れてジャッキを外したりしながら片側を少しずつ上げていく。 マグサが水平になった状態で木のコロに乗せた状態で静かに片側に押すがびくとも動かない。  差し鴨居側の壁に大バールを当ててこじるが壁がべコベコするだけで動かない。 壁に板を当ててやってみるがやはり動かない。  致し方がなく、マグサを横に振っておいて鑿で差し鴨居の上部の穴を広げる。 斜めにすべり落とそうというわけである。
 どうも危険のようなので、足場を降りて一応嫁さんに電話を入れておくが出ない。 近所のスタンドの電話番号を確認して携帯をポケットにいれて足場に上がる。 そっとマグサを今広げた穴の上に乗せ、静かに上からカケヤで叩く。 二、三度叩いたところでマグサはガサッと音を立てて少し落ちる。 何とか上部だけはまったのである。 もう片側にジャッキを掛けて木のコロを外し、カケヤで叩いて少しずつ下げていく。 最後はがくんと両側が同時に落ちてマグサは見事にはまっていた。 やったぜベイビィ!だぁ〜。
 足場から降りて隅を仔細に点検するが、まあまあで70点ほどの出来である。 それでも一人仕事で納めたのだから大満足である。
 その後マグサの上の両側に方立てを立て、その上に溝を切った鴨居を乗せて高障子を入れる天井裏との出入り口を作る。
 それらに一度目の塗装を掛けて今日の仕事は予定終了した。