マグサの加工

午前中シーリングライトを取り付けたり、ちょっとしたところを塗装をしたり、いわゆる駄目直しの仕事をしていた。
 午後からいよいよPCの部屋の壁と天井を撤去するつもりだったが、昨日届いた玄関の足場の上にある地松のマグサを見ていると、それの加工をしたくなってしまった。 予定を変更してマグサの造作と収めを先にすることにした。
 このマグサは、内玄関とダイニングキッチンを仕切る引き戸の上の幅広の差し鴨居のことである。 高さが1尺あるのだが、なぜそんな大きなものなのか・・・玄関と和室を仕切っているところに1尺の高さの差し鴨居が入っていて、それと直角に取り付くのでどうしても1尺の高さのものが欲しかったのである。 材は長さは10尺で来ているが必要なのは8尺(2・4メートル)弱である。  節のある材なので値段も1万2千円と安いが、地松は割れが入りやすいのだが、すでに両縁の真ん中辺りに割れが入っていた。 まず両側を落として表面に鉋を掛けるが、思っていた以上に加工しやすい。
 これまで古民家に長く使ってあって、水分の抜けた地松に穴を掘ったり引き割ったりして手こずっていたが、新しいものは意外と加工しやすいのだ、まったく知らなかった。 玄関の足場の上で加工していたが、やはりやりにくい。
 今日も雪かきをしていた近所の変なオジサンを呼んできて、片側を持ってもらって下ろし作業台の上へと運ぶ。 加工が終わったら明日もう一度もつのを手伝って欲しい、と言う分かったと答え、これまで壁や天井を壊した廃材の山を見て、どこかで燃やすのか?と訊いてくる。 そうしたいのだが、場所がなくて困っている、と言うと、ワシが借りている田んぼで燃やせばよい、とポツリと言ってくれた。
 さらに変なオジサンは明日にでもリヤカーで運んであげてもよい、と言うがさすがにそれは断って、二人で軽トラで運ぼうと言う話になり、これで悩みの種が片付くことになる。
 近くの土建屋の資材置き場の隅ででも燃やさせてもらおうと思って買い置きしていた酒2升を、アル中だと訊いているが、少しずつ飲むようにと渡すと、近所の目があるから夜暗くなってから取りに来る、と答える。 そんなところがこのオジサン、ますますあやしい。


 今日の仕事

 マグサの加工をする。
 実はこのマグサは、1尺(30セント)×4寸(12センチ)×10尺(3メートル)でこれまでオフが扱った材では一番大きなものである。
 山の家でも、同じような材、この時は杉だったが、を使ったのだが大工さんに仕事を任せて、それを側でずっと見ていた。
 その時見ていて思ったのは、材が大きいのは寸法さえ間違えなければ、仕事が大きいぶんかえって楽なのだなぁということである。 今日も丸ノコだけでは深さが切り込めなくて手ノコを使ったりしたが、楽なのは思ったとおりだった。 ただ大きく重いので材を転がすだけでも力が要るわけだが、大変なのは大きいから重いということと、材に値が張るので間違えると予算が大変なだけなのだ。
 マグサの両側に浅い1寸(3センチ)のホゾを付ける。 取り付けは片側は柱だが、もう片側は差し鴨居に半分の浅いホゾ穴を掘ってそこへ上から落としこむ構造にする。 と言うのは真壁のありがたさで、差し鴨居の上は塗り壁で、鴨居より二寸(6センチ)ほど奥へ入っているのだ。 本来ならここのホゾは抜けにくいアリホゾにすべきところだが、今更構造的な強さを加えることもないだろうと判断してやめた。 この差し鴨居は実は敷居でもあって上に4尺(1・2メートル)の高さの障子戸が入り、そこが新しい天井裏への出入り口となる。 だから上と下と両面に建具の溝が付く 明日は柱側の加工をして差し鴨居を入れ、その後上の障子戸の方立てやその上の鴨居の仕事もやってしまおうと思っている。