地松の秣(まぐさ)

 昨日は夜中に晴れたので、今朝は放射冷却でことさら寒い。 朝のうちは水道管の破裂で水は出ないので、トイレも流せない。
 実は外部にあるトイレは一昨日から凍っていて流れなかったのだが・・・
 内玄関上の出入り口の秣(まぐさ)、つまり差し鴨居のことだが、が届く。
 1尺(30センチ)×4寸(12センチ)×10尺(3メートル)、材は地松である。  当然のことながら一人では持ち上がらない。
 運んできた材木屋の人と、近くにいた近所の変なオジサンも加えて三人でなんとか玄関に組んだ足場の上へ乗せる。
 仕事は足場の上ですることにした。 奥の仕事場へ運んで切ったり削ったりホゾを造ったりしても、そこから一人ではとうてい移動が出来ないからだ。
 それにアイランドキッチンのカウンターに使う1尺5寸(45センチ)の幅で4メートルの耳付きの桧の破風板も届いた。


 今日の仕事

 昨日に引き続き電灯の配線仕事をする。
 和室の天井はいわゆる吊り天井で、使ってある天井板は極めて薄いものである。 口の間などは棹縁を並べた上に板を張ってあるが、その板は板目模様をプリントした化粧ベニヤである。 そんなものの上に乗れるわけがないのである。
 シーリング灯は普通部屋の真ん中に付けるものであるが、そこまでの配線をどうするのか、という問題がある。 新築なら天井を張る前に配線を済ませておけるので問題はない。 ここの家は少なくともこれまで三回全面的に配線をしなおしている。 まず一番先のは戦前で、いわゆる碍子配線であるが、天井裏に部分的にその配線が残っている。 その後たぶん全面改装して天井などもやり直したときの配線が残っている。 配線も計画的に回線図を描いてなされているが、この頃になるともうVA配線であるが、線は煤で黒ずんで曲がっているところなど表面の皮がひび割れて毛羽立ったりしている。 その後もう一度配線をやり直している。 この時の電器屋はなまくらな電器屋で、和室に関していえば天井裏へ上がらず、電灯もコンセントも部屋の中から丸見えの情けない素人配線をしている。
 和室の照明器具や配線は基本的にさわらないつもりだったが、あまりにも見場が悪い素人配線を撤去した関係で新しくせざるをえなくなった。
 今回は全部天井裏の配線に戻した。 天井裏へは乗れないので天井裏のそのまた上に、古民家特有のいわゆるアマ天井があるのだが、そこの板をはがして腹ばいになって下の天井へ線を配して穴へ線を通したり壁を伝わしたりしたのだ。 自分のことながらほんとうにご苦労さんである。
 それにコンセントなどの場当たり的な配線を一応系統立てた配線にし直した。
 とくに電子レンジやトースターなどを使うだろう台所のコンセントはそこだけで独立配線にしたし、電気の掘り炬燵があるコンセントも単独にしておいた。 もちろん三台あるエアコンも単独配線である。 残り7回路を、前側の和室、後側の和室、ダイニングキッチン、リビング、寝室、風呂トイレ洗面室、外部(ボイラーとか乾燥機など)と一応きちんと仕分けた。