アイデア

 昨日地松の挽き割りで苦労したが、挽き割らなければならない地松がもう一本やや太目のがあるのだ。 夜中に目が覚めて、さてどうしようかと思案するうちに頭の中が例によってオーバーヒートしてきてしまう。
 最終的にたどり着いた結論からいえば、挽き割る線に沿ってあらかじめドリルでいくつかの穴を開けておいて、その穴までと少しずつ両面を挽き割っていけば、丸ノコに負担がかからないのではないかというものである。 この方法はあいにく今日は使わなかったが、自分ではなかなか良いアイデアだと思っている。 丸ノコに負担がかかるのはもちろん地松が硬いこともあるが、縦引きはたいてい長い挽きなので挽きながら途中で微妙に曲がってしまい、それが真直ぐな丸ノコに負担になるのが大きいのだと思う。
 4時ごろ目が覚めたオーバーヒートした頭は酒を飲んでもなかなか収まらなく、ようやく6時過ぎてから眠りについた。おかげで起きたのは8時過ぎであった。 まあ、自分だけの仕事だから、はじめるのが遅かった日は5時を過ぎてからも仕事して勝手に調整が取れるのが良いところだ。


 今日の仕事


 昨日地松を挽き割るのに一苦労したが、せっかく挽き割ったその地松の長さがほんの少し短いようだ。
 まあ、桁から梁までぎりぎりでとどくことは届くが、ほんの少しだけしかホゾがとれないのだ。 この地松はリビングの上が少し寸法が狭いのでそこで使うとして たしかもう一本丸太材があったなぁと思い出しアマ天井に上がると、さいわいなことに使えそうな長さの丸太が二本あった。 材は何か分からないが、表面がすべすべしているので地松でないことは確かである。 しかしその曲がりようから杉ではないような気もする。 どうあれ地松でなければ良いので、持って降りる。
 外で何度も水洗いしてから、中へ持って入って真っ黒になっている端っこを切ってみると、栗である。 オフの最も好きな材である。 昨日下ろしたものものも含めて残りの二本切ってみると丸太材は三本とも栗であった。 なんだかうれしくなってやる気が沸いてくるが、どのように仕事を進めるかまだ決めていなかった。
 片側は桁の上に載せるとして、もう片側は梁に切り込みを入れて差すのが良いのだろうが、化粧梁は三寸五分角とやや細く心もとない。 結局下の大梁から柄を立てて化粧梁の下で受けることにした。 仕事にかかるが桁はもちろん、せっかく一昨日取り付けが終わった大引き受けも切り込まなければならない上に取り外さなければ取り付かないことが分かる。 この仕事は予定外の急に思いつき仕事なので、いったん振り出しに戻らなければならない訳である。 やれやれ・・・行きつ戻りつである。 それでも夕方になってようやく一本だけ取り付けが終わった。