オーバーヒート

 夜中に目が覚めて、仕事のことをあれこれ考えて、頭がオーバーヒートしてきて眠れなくなることがある。
 目覚める時間帯はどういう訳か2時、4時頃が多い。 オーバーヒートしてどうしても眠れなくなった時は、仕方なく起き出してチーズやクラッカーをツマミにして酒を飲む。
 その酒だが本当に飲まなくなった。 以前は寝る前は必ずといってよいほど酒を飲んでいて、逆に酒を飲まないとなかなか寝付けなかった。 この酒をやめたことが体重減につながったのだろうと思っている。
 さて酒の話ではない。 そのように昨夜も頭がヒートしている時に、天井の梁だが柄でこま切れになった梁は合わせ梁にすれば良かったと思った。 
 合わせ梁は両側から半割した材で挟み込むので、同じ材だが大きく見せる。 仕事もボルト穴を掘るだけで済み、柄もホゾ穴を掘るより負担が少ない。 昨日は梁に使う材を大きさに切ってホゾを作ってしまっているのでもう遅いのだが・・・。

 以前は材と材との結合に金具を使うことをなるべく嫌った。 木と金属は合わない気がしていたのだが、最近はそのほうが仕事が楽だということより、合わないという感覚が少なくなってきた。 金属器具は使い方さえ間違えなければ、かなりすぐれた結合器具となることは学者なども言っていることで、こだわりがなくなったのでこれからも目立たないようにして使っていこうと思っている。
 もちろん、えぇ〜っ 古民家に金属器具!という感覚はわからないでもないのだが・・・以前ラジオで聴いた話だが、ある人は書類を綴じるのに、いまだにわざわざ千枚通しで穴を開け、よったコヨリで綴じることにこだわっているそうだ。 その理由が金属のホッチキスと紙は合わないような気がするという感覚だけだそうだ。 その感覚は何となく分かるが、改装の仕事は基本的にこれまでに使われている既存の材を利用するので、それに新たに仕口を造り足して材を痛めるより、目立たないように金物を使うほうが材に対しても良いような気がしてきているのだ。 もちろん古く痛んだ材を廃棄して、新しい材を使う場合はあえて金物は使わないのはもちろんだが。 
 

 今日の仕事


 梁の上で上部の梁を受けている柄にホゾ穴を掘り、柄のため三等分と二等分した化粧梁を順次入れていく。
 片側はホゾだがもう片側は突き付けしてL字金物で受ける。 金物あるといっても出来るだけギリギリに入れておきたい。 長いものは斜めにすると長さがあるので角度が緩く比較的は入り易い。 問題は短いものである。 みっともないが下部を斜めに切って置かないと絶対に入らない。 カケヤで上から叩いて入れていくのだが、叩くたびにその振動でバラバラと音を立てて硬く固まった煤が落ちてくる。 ダイニングの天井仕事に入ってからはお昼はダイニングでは食べることも、座ることすら出来たものではない。 お昼は麺類やパンが多いのでPCの置いてある部屋へ運んで食べている。
 とりあえず梁を入れ、水平を見て金物で留めるのは明日にする。 というのも梯子や脚立を登ったり降りたり繰り返していると、下で仕事をしているのより倍は疲れる。 途中で嫌になり大引きの受けを用意する仕事をした。 
 上の梁に掛けてあって、編んだ竹を受けていた古い材が用無しになっている。 製材などしていない丸太なのだが、これを大引きに使おうと考えている。 曲がっているので天井板を受けることなど出来ないが、板を受ける大引きは別に用意して、丸太を意匠で使おうと思っている。 はたして上手くいくかどうか、その段取りも明日やってみるつもりである。