珈琲

 明日材木屋が集金に来ると言うので、お金をおろすためと、ついでに買い物と綾部市へ出かけた。
 綾部市街は雪が少ないのに驚いた。 20キロも離れていいないのだがオフが今居る上林地区と比べると3分の1あるかないかである。 やはりそういう場所だからこそ街がひらけたということなのだろうか。 綾部市室町幕府をひらいた足利尊氏の生まれた地であり、明智光秀は近くの福知山に城を築いていたが、明智一党はもともと綾部市に住んでいた豪族だし、今も明智性の家がたくさん残っている地区がある。
 年末で食料品が正月値段になるこの時期にあえて買い物をしなくても何とかもったのだが、一昨日から珈琲の粉がなくなってしまった。
 日に最低でも3度は珈琲を飲む。 スーパーではめったに商品の賞味期間などをチェックしないオフだが、珈琲だけは別である。 京都の小川珈琲店の有機栽培ものの2週間前と3週間前の商品があったが、もちろん新しいものを奥から引っ張り出して買ってきた。 ただし珈琲だけは安いからとか、新しいからとかで買いだめはしないことにしている。 帰ってからさっそく入れて飲んだが、最近は冷蔵庫に残っていた不味いものを飲んでいたので、生き返るような気分になれた。


 今日の仕事

 朝のうち雪が降り止んでいた。 これで雪は一段落なのだろうか・・・今年の雪は牛の小便のように、ようやく止んだなぁと思うっていると、またじょろじょろと降り出すことの繰り返しである・・・まったく、もお〜だ。
 裏の下屋根にある雪と落ちた雪が連なってブリッジになってしまった。 こうなった状態でほって置くと屋根の端口に過重な重みが掛かり、垂木が折れることがよくあるので、スコップで切っていった。 その後横の西側の小屋根も少し下がっていることに気がついた。 見ると桁を受けている腕木がおじぎし始めている。 これでは危ないので、梯子を掛けて屋根に上がって端口の雪を落としておいた。 最後に玄関の前に屋根から落ちた雪がまた山になっていたので、それを移動する。 それだけやっただけでアンダーシャツは汗でびっしょりである。
 ダイニングと奥の和室との境に敷居を入れる。 例のシロアリに少しやられていた根ガラミの上である。 これは昨日までの柱などと違って結構きれいに入った。入れるため和室側の大引きの頭を何箇所か切り取ったのが少し悔やまれるが、これは致し方ない。 その後それの上に鴨居を入れたのだが、これが難しい仕事だった。 梁のすぐ下にくっ付けて入れるしかないのである。 この梁は自然のままの曲がっている木なので、それに合わせて鴨居の上側を削り取らなければならない。 厚いところでは1寸5分(45ミリ)一番狭いところでは8分(24ミリ)しかない状態で自然にアールをかいて曲がっている。 その箇所をした前の大工さんは、隙間だらけのお粗末な仕事をしていて、それを横からベニヤをあてて隠していた。
 カンナでもノコギリでも、本来真直ぐ切るための道具である。 もちろん曲面カンナとかアールをかいて切る糸鋸などはあるが、そんな大工さんでさえめったに使わない道具などをオフは持っていない、だからなお大変だったのである。 明日はもっと大変な仕事が残っている。
 部分的に薄くなっている鴨居に、鴨居溝を切らねばならないのだ。普通より浅めの五分(15ミリ)の溝を切るわけだが、さいわい片引きの戸なので一本の溝だけだが、はたして折れないで上手くいくかどうか・・・もう一人相棒でもいれば、両側をそっと持って取り付けることが出来るので折れないだろうと思うのだが・・・