懐炉

 相変わらず雪は降り、寒い日が続いている。
 家のまわりは一応サッシの玄関戸や窓などで仕切られているのだが、和室とダイニングの間に段差があってそこから縁の下が丸見え状態で、そこの傍へ行くと寒い風が吹き上がってくるのが分かる。 寒さというのは下から来るものであるということを今回実感している。 天井も一部吹き抜け状態である。 茅葺屋根は寄せ棟の妻側の上部に開口部がある仕組みになっているものであるが、天井がないのでそこから外部へと部屋の中を通った空気が抜けているのだろう。
 午前中仕事しながらくしゃみが立て続けに出て、背中のあたりが薄ら寒く感じたので上にもう一枚中綿の入ったヤッケを羽織った。 5枚も重ね着をしている状態になったが、さすがにそれでは動きにくくしばらくして一枚脱いだ。 このような寒さの中で仕事するときの強い味方はホッカイロなどという商品名の揉む懐炉である。 両側のポケットに入れておけば手が冷たくなった時などそれを握るだけで暖かくなるし、結構長い時間暖かいのがうれしい。


 今日の仕事

 玄関を入ったところの仕切りを玄関側に出してダイニングを少し広げたので、新しい仕切りが必要で、仕切りを両開きの引き戸にするつもりである。 その片側には柱があるが、もう一方の側には柱がない。 その柱を立てた。 床下から立ち上げて上は和室の上がり口の差し鴨居までである。 途中敷居に半分引っかかるので、そこを相欠きして玄関側から敷居にかぶせて、後はヌキを入れて固定した。 たったこれだけの仕事だが、おおよそ一日かかった。


 床だが、現在の高さを変えないで、一応現在張られている樹脂系のフローリングを剥がして、その下の合板も外し、その下の根太まで出しそこの間に床暖房の断熱材を敷いていこうと思っていた。 最初は上げるつもりだった床の高さを変えないのは、高くすると現在の窓の位置が内部からは
低くなりおかしなものになることに気が付いたからである。 窓の高さを上げることは出来るが、外部に張られているタイルと同じものが手に入るかどうか分からないし、仕事が面倒になり時間がかかりそうである。
 ところが今日樹脂系のフローリングを一部はがそうと思ったが、ボンドで合板板にべったりと張ってあって簡単にははがせないことが分かった。 そこでそんな苦労をするなら、わざわざそれをはがさないで現在の床面の上に根太を取り付けて床暖房を敷設して、その上に床を張ることに変更した。 その場合現在より床が二寸五分(75ミリ)高くなってくる。 高さが限られている建物ではないし、この先天井も上げる予定だし、ただ内部からの窓の高さがやや低くなる問題だけで、きわめて仕事が簡単に済みそうである。
 いろんな取り合いや事情で予定や設計はあるようでない状態で、変更に次ぐ変更をしながら仕事は少しずつ進んでいる。