大和張りの壁面

 寒い、寒い。 ここの家は特別寒い。
 今朝の室温は0度である。 戸外の気温とあまり変わらない。 家の中は天井は抜けているし、縁の下の土が一部で見えている。 その縁の下の向こうには外が見えるという、いわば戸外との仕切りのない状態である。
 寝ている部屋と、このPCが置いてある部屋だけはこの家の中と仕切りが残してあって独立しているのだが、なぜか他の部屋と同じように寒い。
 この先仕事が進めば、ダイニングややキッチンの天井も完全に外し、PCの部屋も壁の仕切りを取ってしまうことになるが、これから一年でももっとも寒い寒を迎えると言うのにだ・・・どうやら仕事に掛かる時期が悪かった。

  
 今日の仕事
 
 昨日の腐っているので取り外すことにした根がらみの上の敷鴨居を取り外した。
 しかし根ガラミをどこか真ん中で切って共に両側へ引けば外せるのだが、新たに入れるのはどうするのだ?という問題にぶち当たった。 現在は柱の地面から1尺(30センチ)程のところにホゾ穴を掘って差し込んであるのだが、柱をそのままにして両側のホゾを入れることは出来ない。 午前中そのことで頭を悩ませていた。 長短のホゾにして長めのホゾを差して戻して楔を打って留めるのが妥当だろうが、その場合長ホゾの側が細くなってしまう。 土台のように半分に切って真ん中でアリやカマ継ぎする手もあるが、それはあくまで下にしっかりした布基礎がある場合だ。 継いだところを長めの鉄の板で両側から挟んでボルト締め・・・などなど考えたが、片側が部屋の内部になる場所である。 だがしばらく他の仕事をしていてこの問題の解決法がフト思いついた。 既存の柱のすぐ横に和室の仕切りに柱がもう一本立つのである。 この柱はあくまで襖戸が当たる為だけの柱で根ガラミの上からの短いものであるが、この柱を地面から立ち上げるようにすれば、その柱の位置で根ガラミが二つに分かれるのである。 だとすれば真ん中のその柱を手前にして4箇所のホゾを入れておいてエィヤッとカケヤで全部が真直ぐに並ぶように叩けば目出たし目出たしとなるはずなのである。 しかし、その後しばらくしてそれでは駄目だと気がつく。 あくまで土台や根ガラミは万一の時、地震が来たときなどのためである。 その新しい柱には、さらに直角に根ガラミがいるということに気がついた。  結局は虫は食っているが、芯は大丈夫だからこのまま根ガラミを外さないでこのまま持たそうということに落ち着いた。 ただし両側から長めの厚板で挟んでボルト締めしておくことにした。 やれやれ・・・である。
 

 玄関の内側に張られていた化粧ベニヤを外す。 嬉しいことに中から大和張りに張られている古い腰壁が出てきた。 腹が立つのは大工さんがベニヤを止めるための下地の桟を固定するために、せっかくの腰壁に遠慮もなしに長い釘をドカドカ打っていたことである。
 その後は材料がなくて仕事にならなくなったので、天井裏に上がってこれから天井張りをどのようにするか考えたが、それがなかなか決まらない。
 第一まだ漆喰塗りか、板張りの天井かまだ迷っている状態なのだ。 どちらにするかによって天井下地をはじめ部材や手順なども違ってくる。 ただ高さはだいたい床から10尺(3メートル)前後にすることだけは決まった。  この高さだと比較的下側を通っているこの家のおおよその太い梁は下から見えることになる。