根ガラミ

 どうやら当地の雪は一段落したようだ。
 屋根には雪止めが架かっていないので、いつ屋根雪がズリ落ちてくるか分からない。 ここの屋根工事をしてもらった時、瓦屋に雪止めは入らないのかと聞いたのだが、このあたりの雪程度ではいらないよとの返事だった。 どうやら入れておけばよかった。
 屋根雪が落ちてくる時は下屋の雪だけではなく大屋根の雪も一緒だから、沢山降った時は結構危険である。 裏の北側の窓には落ちた屋根雪がガラスを押して割れないように材木を渡し掛けておいた。

 田舎からはまだ電話がかかってこないが、山の家の屋根雪の状態が心配である。 と言っても現在敦賀からの北陸道はストップしたままであるが・・・八尾ではたぶんこの雪が一段落すればぼちぼちと屋根雪下ろしが始まると思う。
 昨年は山の家とその下のアヤメ婆の家と二軒だけが結局雪下ろしをしなかったが、二軒ともぎりぎりセーフの状態だったが、今年はそうは行かないだろう。


 今日の仕事

  昨日分かった根ガラミの虫食いだが、調べてみると芯の部分まで虫は入っていないようである。 しかし、この家は柱が基礎石の上に建っていて、土台というものがないので、言ってみれば根ガラミが土台の役を果たしている訳で、この部分がシロアリにやられると家全体がおかしくなる。
 よってかなり面倒だがこの虫食いの根ガラミを取り外して、新しい材と取り替えることにした。 5寸(15センチ)×3寸5分(10・5センチ)の材で長さは12尺(3メートル60)のやや大きな材がいる。 このような大きさの桧の材になるとけっこうお高くなるので、多分ベイヒバの集成材を使うことになるだろう。
 今日から三連休だということを忘れていた。 材木屋は三日間休みなのである。 この先正月休みが入るのだが、お盆も正月もないオフにとって、その間の材料を余分に注文しておかねば仕事にならなくなる。 かと言ってとりあえず目先の仕事しか読めない今のオフには、それはかなり至難なことである。 ここへ来てようやくリビング・ダイニング・キッチンの設計図が頭の中に描け始めてきているが、それも仕事の進みの中でどんどん変わっていくのがこれまでの実情なのである。 今日の仕事が終わってようやく明日やる仕事の内容が決まることだってけっして珍しくなかった。


 座敷側の出入り口の四枚の障子戸の両側の二枚の部分を壁にするので、そのための半柱を立てヌキを充てて固定する。
 このようにするのはダイニングが玄関側へ少し延びるので、新しい壁を受ける柱を立てなければならない。 そうなると障子戸の途中にその柱が来るので取り合いがおかしなものになり、座敷への入り口の両側を壁にすることにしたのである。 ところが新たなその壁の反対側には既存の柱が立っているのである。 文章で書くと分かりにくいが、この家の構造は柱の筋が通っていなくて、わざとずらしてある。
 以前何かの本で読んだのだが、近畿地方の古い民家にはこのような構造の家があると書かれていたが、何故なのかその本を詳しく読んでいなかったので分からない。 思うに柱筋を通すと一つの柱に仕口が集中して柱が弱くなるのを嫌ったためでないかと思うのだが、本当のところはどうなのか良く分からない。

 明日は新しい材はないが、とりあえず虫食いの根ガラミを外しておく仕事になるが、上に載っているダイニングから奥の茶の間に入る出入り口を取り払うことになる。 きれいに外れて後で再利用とは・・・なりにくいだろうなぁ。