砂漆喰塗り

 今日は燃えるゴミを出す日だった。 台所の生ゴミの袋の他に先日から剥ぎ取ったベニヤをゴミ袋に入る大きさに折って大の袋一杯出した。
 生ゴミなどを出した後は、これで邪魔なものを片付けたという気分になって、妙にすっきりするものである。


 今日の仕事

 朝の内、昨日の茶の間に続き口の間も脚立に上がって壁の上や天井に掃除機をかけた。
 この業務用の掃除機はヤスの会社が今使わないからと言うので借りているものだが、スター・ウォーズに出てくるあのR2−D2のような形でズン胴のものである。 上部にモーターなどが付いていて上が重いからすぐひっくり返る。 もう古いこともあるだろうが、少し使うとすぐ吸い込みが悪くなってしまうので、そのたびに駆動部を外してそこについているフィルターを掃除しなければならない。 結局思っているより二倍の時間がかかる。
 仕事は道具だ、と言われるがその通りだと思う。 しかし仕事出来ない機械(や人間)を使っていると仕事が思うように進まなくてイライラさせられる。 会社だって調子の悪い機械(や仕事が出来ない人)を使っていると仕事は遅れ、その仕事にかかるコストが上がり利益が少なくなる。
 機械を借りていて文句を付けるのは筋違いかも知れないが、ヤスの会社も借金を抱えて大変だということらしいが新しい機械も買えなくてこのような不調な機械を使っていればますます悪循環だろう。
 結局手持ちのブロアーを出してきて吹き飛ばすことにした。 これは小型だが吹く力はかなり強い。 その代わり部屋中に埃が舞い上がり大変なことになった。
 埃を舞い上がらせておいて、外へ出て腰板の二度目の塗装にかかった。
 先回はライト・オークを塗って少し明るすぎたのだが、今回はウオールナットを塗るつもりだったがこれだと少し暗すぎる気がする。 結局両方を混合させて塗ったが結果まあまあの色合いになった。
 
 午後から外壁の二度塗りの目の砂漆喰を塗ることにして、剥落を避けるため塗り後を押さえるネットを大きさに切る。
 このネットは職人などはあまり使っていないらしいが、オフは素人であるので手順を踏んでネットを中塗りに被せる。 大きさを測ってネットを鋏で切っていくのだが目がよれて来てイライラするめんどくさい仕事である。 この仕事を山の家を再生した時は当時大学生だった息子がアルバイトでやってくれて、その後息子はその金で中国の雲南省へ出かけていって、スリにパスポートを掏られるという情けない経験をしたらしい。
 まあ、そのようなハプニングというのは一生ものの思い出になるものなのだが・・・

 ミキサーに漆喰と砂を入れ混ぜ、少しずつ少しずつ水を足していくが、漆喰に水を加えていく場合ある時点を越すと急に軟らかくなってしまうのであくまで慎重に、慎重にである。
 何年かぶりに漆喰を壁に塗った。 山の家の壁塗りが終わった時点で、もう二度と壁塗りだけはやりたくないと思った仕事だったのだが・・・
 砂漆喰をモルタル下地の上に塗りつけていく。 一面を塗り終わってネットを被せようとするが、ネットが張れない。 被せた後からすぐ剥がれて来てくっ付かない。 その時点でひとつ忘れていたことに気が付く。 砂漆喰を中塗りする前に下塗りのモルタル下地に霧吹きで水をかけ湿らしておくことを・・・だ。 急きょネットを水で濡らして貼り付けるがやっぱり駄目である。 仕方なしにバケツの水を手ですくって砂漆喰の上へ直接ふり掛ける。
 午前中塗った腰板にも跳ねた水は掛かるがそんなことは言っておれない。 それで上からネットを押さえて何とかかろうじてネットはくっ付いてくれた。