ベニヤ剥がし

 昨日田舎から帰ったのだが、疲れたいたのか8時になってようやく寝床を出たがとにかく朝の内寒かった。 室温でもようやく4度だった。
 風はなかったせいか外は9時半過ぎまで霧が立ち込めていた。 それでも10時を過ぎると日が差してきて南側の縁側の戸を開けて、その時間から今日は仕事を始めた。
 

 今日の仕事

 口の間、ここは四方全部建具が入っている部屋だが、そこの鴨居の上の壁部分にはすべて化粧ベニヤが張られている。
 壁といっても上塗りはしてないが中塗り程度までしてあるのだが・・・。 前の家主はよほど塗り壁が嫌いだったらしいが、その奥というか横というか茶の間として使われていた部屋も、壁部分は全部化粧ベニヤで覆ってあるだけでなく、柱や梁部分を普通のベニヤで覆ってある。 だから結局建具の部分以外は全面にベニヤで覆ってある訳である。 塗り壁というよりも古い壁、古い柱、古い梁すべて見たくなかったのだろう。
  何らかの形で石油を介して作られた、つまり工場生産された建材で家を覆いつくすのが戦後工業経済社会の中での家の近代化だったともいえる。 
 そして昨今それがもう一歩進んで、日本の家の大半は工場で製造、加工されたものを現場で組み立てるだけの家であると言ってよいだろう。

 それはそれとして、今日のところはタバコの脂に汚れたベニヤを剥がして行く。 同時にそれの下地として使われていた胴縁の材なども取り外す。
 残念なのは仕上がりを真直ぐにと言うか水平や垂直にするために、ところどころ柱や梁を削ったり切ったりしていることである。 そういう箇所は柱や梁が薪を焚いた煙で燻されて黒くなっていたのだが、削られて木肌を見せている。 それが手術の後の肌のように無残に見えてしまう。
 この二間の隣は台所になる。 剥がした壁の隙間から見える台所の天井裏の様子を見るにつけ、この二間はあまり手を掛けないで壁を塗り壁に戻す仕事ぐらいにして、LDK、つまりリビング・ダイニング・キッチンで古民家本来の天井の組みを見せるようにしようという気持ちがますます強くなる。
 そのLDKの設計図、天井にしろ、床にしろ、壁にしろ今のところこれらを全部いったん壊してやりかえるつもりはつもりなのだが・・・肝心の設計図がまだ頭の中に描けていない。
 天井は梁を見せたりするから現状より高くすることは間違いないが、どちらかと言えばもっとも苦手な箇所だから、なるべく簡単な仕様で済ませたい。 壁に関しては、大壁にして珪藻土でも塗ろうかな、などとぼんやり考えている程度である。 床に関しては今の床を剥がしてみて、どのような仕事になっているか見た上で高さを含めて決めていくつもりだ。そう言いながら床材などはもう買い付けているいるのだが・・・それに天井を高くするとどうしても冬は室内が寒くなるので床暖房などを取り入れようと思っている。