床の間に棚

 腰痛は昨夜も続き、夜中に何度か目がさめる。
 朝起きて身体を起こす時に四つんばい状態になると強く痛む。 まずそれが一苦労で、その次が靴下を履く時、さらに靴を履く時と続く。
 湿布をしてコルセットを付けて仕事場へ出る。 昨日は山のように沢山のおが屑が出て、それを箒で掃きながら片付けるのが一大苦労だ。
 それでも仕事最中は昨日よりやや痛みはすくなかったが、棚の下の屈んでする仕事が大変だった。 服が汚れるなどと言ってはおれなくて、床に上を向いて寝転がって仕事をした。 これまではどちらかと言うと左側寄りの腰が痛かったが、今回は右側寄りのような気がするが、時には左側も痛んだりするので、どちらが痛いのかよく分からない。
 

 今日の仕事

 昨日に引き続き床の間に棚を造る。
 昨日造って用意しておいた材料を、現場合わせサイズを出して切っていく。
 まず、棚を少し前に出すための一番奥の三寸五分の横長の板を入れるため両側の柱の角を板の厚さで削り取り、そこへ大きさに切った板をはめ込む。 次に敷居と両横の方立を床の間の長さに切ってコの字型に組んで、それを仮に床の間の前側に置き、棚を受ける材を後ろの両壁側に立てる。 それから棚を床の間横一杯に切って四本の受け材の上にそっと乗せる。 棚板は少し真ん中が盛り上がっているので、後ろの板との間に少し段差が出来るが、それ以外はまあまあの出来である。 後日金物屋でカスガイに類するものを買ってきて両方の材をピタリと段差なく吸付けるつもりだ。 床の間と壁との間に隙間があるので、幅木を造って隙間を隠していく。 最後に一つ一つの材ををヌキや柱にコーススレッドビスで見え掛りのところは隠しビス留め、見えにくいところはそのまま留めて、床の間の棚の取り付け仕事は終わった。

 これで山の家に引き続き、床の間に棚を造った。 と言うより床の間を止めて棚に変えたと言うべきだろう。 今回は床框を付けた上に棚を造り付けた訳だが、さほど違和感はない。 まあ框がないほうがすっきりして良いことは良いが、その場合後からの改造だから床柱に框を入れていた仕事の跡が残ってしまう。 
 これからも古民家の改装や再生の仕事をする場合、この床の間を廃して棚を造るのをこれからのオフの仕事の特徴としていこうと思っている。

 ずっと気になっていたが、取り掛からないで後回しにしていたおいた仕事がある。 
 裏の縁の床とサッシとの間に隙間があるので、それを何とかしなくてはならないのだ。 
 この縁の床は部屋の床面や仕切りの敷居に合わせて張ったのだが、合わせた部屋の床面が傾いているのである。 縁の内付けのサッシの上部は水平の出ている桁に合わせ柱に沿わせたたのだが、当然下部は床とは合わないでお互いにバッテン状態で傾いている。 内付けのサッシは隅をきちんと直角を出さないと戸の締りがおかしくなるので致し方ない。 だが縁の床と仕切りの敷居との間をバリアフリーにして縁の床を上げたのでサッシは床の外側の下に来ていて、お互いにバッテンになって傾いている割には違和感が少なかった。 悩んだ末の苦肉の策であったのだが、床とサッシの間に隙間が出来ていては直さないわけにはいかないのである。 床を外すことにした。 これがまた自分の仕事としてはかなり、良い仕事のもんだなぁであって、ぴったりと嵌っていてなかなか外れなかった。 感心ばかりしている場合ではないので無理に外したが、後の仕事をどうしようかとまた悩む。
 最初は単純に根太と根太の間に同じ高さの部材を入れていって塞ごうと考えていた。 しかしいかにも場当たり的であまり見よい仕事ではない。
 そこでしばらく考えたが、当たり前といえば当たり前の話なのだが結局サッシに縁の床を合わせるのが一番良い、という結論に落ち着いた。 その場合今度は部屋の床と同じレベルの敷居とお互いの傾きがバッテンになるが、バリアフリーは止すので、その段差で誤魔化して我慢するしかない。
 その場合、また床根太を下げて傾きを変えなければならない。 その仕事をしていて時間になった。 後は明日の仕事である。