後から柱

 昨日はよく寝た。 ぐっすりというより夢をいろいろみ見ながらだったが、とにかく一度便所に行ったが8時間あまり布団の中にいた。
 今日は富山へ帰る予定の日である。 月に一度ぐらいは帰るよ、と母親に言って出たのでそろそろ帰らなくてはと思っていたが、屋根仕事が終わらないことにはこの地を安心してはなれることが出来なかった。
 午前中、昨日やりかけの壁の取り壊しをして、午後早く出るつもりでいる。そのころには瓦屋の仕事も終わるだろう。
 ここの家は建てた後いろいろ手が加えられているのだが、北東の角に柱が建っていない。 昔、奥の部屋の北側は縁になっていたのだということは分かるが、多分北東の角の屋根は寄せ棟になっていなくて、東から来た屋根と北側から来た屋根の下屋の高さが違っているのでそれぞれ端で切れていたのだと思う。 それはそれぞれの側の桁がそこで切れているから分かる。 それを後日東側から来た屋根は北側より少し高いのだが、その東側の屋根を北側へまわして棟を寄せる構造にしたのだと思う。 たしかにこの方が見栄えも良いし、北東角方向からのそれぞれの壁に当たる雨風も防げる。 その時にそれぞれの桁を継いで伸ばしてそこの角に柱を一本立てて受けるようにしないで、内側の以前の隅の柱から棟の背骨になる木を長く伸ばして屋根をまわしたので北東角の柱がない構造になっている。 それに以前はその北東角の屋根は成型したブリキで葺いてあったので軽かったが、今回は瓦屋根なので、屋根からの重みが違ってきている。 お互いにほんの3尺ほどの距離だが、何らかの方法で桁を継いで伸ばしその先を柱で受けておけば安心である。 しかし、お互いの桁を継ぐ方法はいろいろあるが、すでに家に使われている桁に短い桁をどのように継ぐのか良いのかよく分からないし、屋根をジャッキアップしての仕事もなんだか面倒そうであるし、今にして思えばこれは屋根下地をしている段階での仕事だったんだなぁと思う。


 今日の仕事

 午前中だけ仕事をした。
 床の間のところに半柱を立て、貫を差して固定した。 貫は厚みがないのでヘナヘナした材にみえるがれっきとした構造材で、建物を支えている部材である。 その貫を一本通し貫にして、後のものは片側へ深く入れた後、行ったり来たりして通し真ん中あたりでビスで止めた。 これは本来から言えばあまり感心しない仕事となるが、既存の建物に後から貫を通すにはこの方法しかない。 上場は貫を半割したものをビスで止める。
 こうしておけば後で壁下地をするために、外側にはシージングボード、内側にはラスボードを簡単に張ることが出来る。