スカートめくり

 宵の口から雨が降り出し、夜中じゅう雨が降っていた。 沈丁花の甘い匂いが何処かから漂って来そうなくらいなまめかしく暖かい・・・まさに春宵一刻値千金の季節である。

 警察署長が知人の結婚披露宴の席上、女性のスカートを引っ張っり「不適切な行為」として厳重注意措置としたが、その署長は辞職願を提出して退職することになったという。


 http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2008031000760


 酒に酔った勢いでやったこととはいえ、なんとも情けない話である。 この件に関する他のニュースによると、この署長は式場だけではなく、その後伊万里市に戻るバスの中で前の席に座った別の女性の肩を「指圧だ」と言って触ったりもしたと言う。 妖しい春の陽気に誘われて警察署長も女性を見るたびに目がハートになってしまったのだろうか・・・最近は公務員の、しかも長の名がつく人たちが申し合わせたように各地で破廉恥なことを繰り広げているようだ。


 昔、オフが小学生低学年の頃だったか、高学年の頃だったか忘れてしまったのだのか時期は忘れてしまったのだが、学校で一時女の子のスカートめくりが流行ったことがあった。  男の子たちがヒョイ、ヒョイと上手にスカートめくりをするのを横目で見て、めくりたいのがやまやまだったがなんとなく怖くてやれないでいた。 その頃オフはまだまだおとなしくて目立たない少年だったからだが・・・。

 小学校には少し離れたところに集会などに使われる講堂というのがあって、そこへいく長い渡り廊下があった。 その長い廊下の掃除が時々回ってきて、その時もオフたちが10数人でそこの掃除当番が当たっていた。  掃除は廊下の片側から濡らした雑巾に両手を突いて順番に一列づつ拭いていくやり方をしていた。 オフはその長廊下で意を決して念願のスカートめくりをしたのだ! 廊下を拭き終わって出発点のバケツへ戻る時、向うから拭いて来た女の子のスカートを振り向きざまにパッとめくり上げたのだ。
 その頃はすでにみんなの間ではスカートめくりは流行らなくなっていたのだが・・・スカートまくりをする男の子の中には特定の相手だけを狙っているのもいた。 そういえばスカートめくりとは違うが、特定の女の子の筆箱ばかりを隠す男の子もいたなぁ。 その時オフはたまたまオフの次に続いていた子が相手だったし、とくにあらかじめ狙っていたわけではない。 あらかじめ狙っていたならかえって緊張して出来なかっただろうと思う。 

 だが、その時 アッ!と声が出たかどうか覚えていないが・・・とんでもないことに・・・なんと・・・その子はスカートの下にパンツを穿いていなくて、スッポンポンだったのだ。
 とにかく女の子はとっさに立ち上がってスカートを押さえてオフの顔を見た。 その時の女の子の目はけっして恥ずかしがっている目ではなかった。 オフを非難するような目でもなかった。 なんとも言いようのない悲しそうで、情けない目をしてオフの顔をチラッと見たのだった。 逆に顔から火が出る思いをしたのはオフの方だった。 まさに穴があったら入りたい・・・恥ずかしい・・・この時ほど強く思ったことはない。
 さいわいなことに当事者二人以外にはまわりにはこの一連のことを見たり、気が付いた子はいなかったようだったようだし、その後も誰もそんな話を言い出すものはいなかった。
 じつは、その女の子はかなり近所の子で、父親がどこか都会へ行ったきり戻ってこないとかで、年のいった母親だけの家で貧しい家の子だった。 
 母親は豆腐や油揚げを作って売っているのだが、衛生面が不潔であると何度も保健所から改善命令が出ているという噂があって、近所の人もそこの家にはあまり買いに行かない様子だった。 オフはその後その女の子と出くわすたび顔から火の出る思いを何度かしたと思うのだが・・・じつはその後その事は完全に忘れてしまった。
 何時頃だったか大人になってからだが誰かから、その子は美容師になってパーマ屋をやっていると訊いたことある。 その折、フトその時のことを思い出して、ああ・・・あのことを謝っていなかったなぁ、とそのことがことが気になりだした。 何かの機会があって顔を合わせることがあれば、その時はごめんなさいと素直に謝ろうと思ったのだが・・・今頃そんな遠い昔のことをことを持ち出して謝ってもらってもかえって迷惑かもしれないが・・・残念ながら彼女とはその後顔を合わす機会はないまま今日に至っている。




 今日の仕事

 昨日トイレの床を張ったのだが、最後の一枚が上手く行かなくて残しておいた。 きょうその仕事から始めたのだが、なかなかピッタリと上手く付かないのだ。 最後の板だからというので、ヒビが入ったような板を使っていたのだが・・・無理に力を掛けるものだからその内にとうとう板が真ん中で割れてしまった。  仕方ないから次の板を出してきたが、端っこなので柱の出っ張りが三箇所、給水の穴が一箇所あるが、また作り直しである。 
 床を張った後、片引きの引き戸のために真ん中に半柱を一本立てる。 片側の壁面にヌキを入れて壁下地をする。 さらに一筋鴨居を取り付ける。 その上部の壁下地をする。 ヌキにボードを張るところまでやった。