リメンバー!!!

 オフは子供の頃からモノ忘れが多かった。
 今回また情けないモノ忘れをしてしまった。
 夜、嫁さんからの電話で、今日は何か言うことないの・・・と言われて、アレレ、なんだろうなぁ・・・と思いながらハッと思い出した。
 嫁さんが忘れないようにとわざわざ自分の誕生日に婚姻届けをしたのだが、その大事なことが重なっている日がその日だという事をコロリと忘れてしまっていたのだ。 嫁さんの誕生日はいつか?訊かれれば、それはもちろん間違いなくちゃんと答えることが出来る。 そんなことはさすがにオフでもちゃんと覚えているが、肝心のその日になっているのをすっかり忘れていた訳である。 その時は、しょうがないわねぇ・・・で済んだのだが・・・
 一昨夜あたりから電話で、これまでの前科を次から次とほじくり出されて、あなたは本当に私のことを思っているの!などとチクリ、チクリと責められている。 そんな話を聞きながら、う〜ん、う〜んと生返事をしているうちにだんだん、だんだん眠たくなってくる。
 そこでまた、ちゃんと訊いているの!大きな声が飛んでくる。 まったくやれやれ、な話であるが・・・来年からカレンダーに特別に大きな丸を付けておこうと思っている。


 オフが育った家庭環境では、個人の誕生日などというのは特別な日でもなんでもなく普段の日と変わらない一日だった。
 オフは祖父祖母に育てられているが、彼らにとって歳をとるのは正月の元旦の日で、祖父などは元旦にわざわざ今日から何歳だなぁ、と言ったりしていたものである。 当然のことながら誕生日を祝ってもらった記憶などない。 そんなわけだから、祖父の誕生日など知らない。 祖母の誕生日は1月3日という覚えやすい日だったせいかそれだけはかろうじて覚えている。
 オフの誕生日も親父が役所に届けるのを忘れていたせいで、たまたま届けた日から二週間さかのぼった日に決められただけで、正式な誕生日はいつなのか知らない。 そんなわけで自分の誕生日に特別な思いがないせいか、自分の誕生日も過ぎてから、誕生日はいつの間にか過ぎていたなぁと思うことがよくあった。


 オフは結婚して家庭を築いたが女房と、今日はあんたの誕生日だね、とか言い合うことはあったが、オフも女房もとくにお互いの誕生日を祝うなどということはほぼなかったと思う。
 子供が三人生まれたが、子供のそれぞれの誕生日を祝っていたのだろうか? 祝っていたような気もするし、そうでなかった気もするし・・・もう今となってはあまり思い出せない。 ただ、クリスマスには叔父さんのところから貰ったりしたケーキやアイスクリームケーキなどを食べていたのはかろうじて覚えている。 オフがケーキなどを食べるのは一年の内一度ぐらいだったから覚えているのだが・・・
 また結婚した日も、月も・・・秋だったなぁぐらいしか覚えていない。 ただ、前の女房と初めて出合った日だけは不思議と覚えているが、これは5月5日の子供の日という特殊な日だったから覚えやすかったのだろうと思う。


 くどくど言い訳じみたことを書いているが、自分の誕生日を忘れても嫁さんの誕生日を忘れるのはやはり良くないと思う。
 その日にはせめて気の利いた贈り物をしたりして祝うべきだなぁ、と思う。 そんなことは今の若い人はちゃんとマメにやっているのだろうが、それは良いことだし、とても大切なことだと思う。


 最近のニュースで、チンパンジーが農園からパパイヤの実を盗んで、それを雌にプレゼントして、その雄はその雌とラブラブになるのをいくつか観察されたというのがあった。 このようなケースは人間以外で初めて観察されたことだそうだ


 http://www.asahi.com/science/update/0912/OSK200709110071.html


 でもこれらの観察された事実は、すべての雄がそれをする訳ではないらしいところが面白い。
 ツバメが人家の天井に巣を造るのは、ほとんどのツバメがそうするので、これは本能というか、それをすることがDNAに組み込まれているからそうするのだと思うが、チンパンジーの贈り物は本能でそうしているのではなさそうである。
 本能ではなくて、何匹かのチンパンジーの脳がそれをすることを命じてそれをしているのだろう。 脳がさらに発達してくると本能以外のところで行為をするようになり、ついには本能ではなくて、ほとんどの行為を脳がつかさどるようになっていくのだろうと思う。 人間がいつでもセックスを出来るのは本能でそれをしているのではなくて、脳がそれをつかさどっているからだ。 また、その脳が何らかの原因で少し回路がずれると男に対して男が発情したりするゲイになったりするのだろう・・・このようなことは本能では起こり得ない事であるからだ。


 今日の仕事


 二階の四畳半の床の手直し仕事をする。 奥の四畳半に杉板を捨て張りして、フローリング材を順次ビス留めしていく。 最後は一枚と半分の板を合わせて落とし込み端をビス留めして出来上がり。 手前の四畳半の部屋に移ってフローリング材を剥がし、次に捨て張り板も剥がして今日はこれまで。