法蓮造り

  昨夜から雨降りで、午後から強く降っている。 今が梅雨本番という感じである。 以前雨漏りした箇所は、板金屋をいれて屋根の谷になる部分の銅版をステンレスの板に取り替えてからは雨漏りはピタリとやんだ。 ただ新たに雨樋を補修したところで、勾配が弱く、強い雨が降ると逆流して樋の縁から雨水がこぼれている箇所がある。 晴れた日に全体の勾配をやり直す必要ある。
 今日で一階のフローリングの塗装は終わった。 後は柱などにあいているヌキ穴とか天井の隅の隙間などを塞ぐ仕事がある。
 ここの家にはアジサイがいろいろ植えられているが、その中でもガクアジサイが結構涼やかな趣があって気に入っている。


 お昼に嫁さんから、ケーブルテレビで「ドア・イン・ザ・フロアー」を観ていたのよ、と電話があった。
 一昨年だったか神戸の映画館へ二人でこの映画を見に出かけた。 原作はオフの好きなアメリカの作家ジョン・アービングであり、監督の名前は忘れたが、たしか新鋭監督だったがアービングの微妙な特徴を上手く画面に出していたと思った。
 その後、まさにフロアーの塗装の仕事をしたのだが、急に気分がなにかよい映画でも見たいような気分になり、ネットで検索したが、これはという映画は掛かっていない。 東京では川瀬直美監督のカンヌのグランプリの「モガリの森」の上映が始まっている。 これは是非見たい映画である。 


 今、民俗学者宮本常一の「日本人の住まい」という本を寝る前などに少しずつ読んでいるが、その中に奈良市にいまだに残っている古い町屋である法蓮造りの家のことが出ていた。 これは河瀬監督の映画「沙羅双樹」の撮影の舞台となっていた家と町並みである。

 法蓮造りについては以下ような説明がなされている。
 『切妻平入りの民家で家を真っ二つに割って、一方は土間、他方は床張りの座敷になっている。そして一番前の間をミセとよぶのは、古くここが店として品物を売る場所だったのであろう。
 法蓮作りの典型的なものは家のまえに物干し場があり、物干し場のさらにまえには溝がある。ここは洗濯場になっていたばかりではなく火事のための用意でもあったという。主家のうしろには庭があり、庭の次に土蔵がある。土蔵の裏は菜園になっており、菜園の向うは納屋になっている。これらは土塀によって囲われている。表の入口から土間を通って裏にぬけ、庭、土蔵に横、菜園のそばを納屋までまっすぐに通路があり、あけ放してあれば表から納屋まで見通せるようになっている』 

 さらにこれが京都になると、同じく片側造りでも主家から中庭や土蔵までが細長い屋根で覆われた短冊形の町屋となるわけである。



 今日の仕事


 便所、廊下、リビング、ダイニング、キッチンに二度目の塗装をする。 午前中左官屋が来て、和室の土壁に塗ったが、その後割れてまくれてきていた箇所の補修をしていく。