等級

 向かいのオッサンが来て、 昨日で左官屋が上がったのか・・・いよいよ出来上がりだなぁ、と言う。
 まあ、内部は見た目には出来上がっているが、まだまだ細かい仕事が結構残っているのよ、それに外部ももうすこし仕事があるんだわ、と答える。
 六月一杯で片付ければ、いよいよ七月からは売りだしだなぁ・・・と言う。
 そうなんだ、売れてくれるといいんだが・・・
 売れんかったら、ここで住めばよとちゃうか
 まあ、住んでも悪くない気もするがなぁ・・・ここはなかなかよい所だし・・・と言うと
 そうでもないでぇ
 なんで?
 隣保に入ってへんから、ここらの付き合いを知らんやろうが、ここにはみんな家には等級があるんやでぇ
 何それ?
 区長とか偉い人が寄って決めているいるんや、全部で14等級があるんや・・・そいでもってワイとこなんか下から二番目の13等級や・・・前は最低の14やったがどういう訳か一つ上がったんや、そやけどなぁ毎月の分担金も1500円上がったんやで、だからワイら下のモンの言うことなどは、どんな良いことを言っていても通らへんことがあるのよ


 と言うことらしい。


 オフの田舎などは万雑といって町の町会費のようなものは、特別な家をのぞいて(後家さんの家とか)均等割りと言ってどこの家も公平に同じ金額の負担になっている。


 このことについては、等級があのは不公平であるとは一概には言えない面もある。 家と家の間で貧富の差の激しいところでは、むしろ等級があったほうがより公平だと言えるかも知れないからである。 だが、この地がまだ等級がある地区だとは意外だったが、そのことに関してはそこに住む住民が決めることであるから、そこに住んでいないよそ者がそれについてとやかく言う筋合いの話ではないだろう。 そんなの嫌だ、と言う人々が増えてくれば、おのずからそのような仕組みは廃止されるだろうと思うからであるが・・・だがこれまでのいきさつもあるだろうし、この仕組みを変えるのはなかなか難しいのは事実だろう。
 聞けば町会費だけでなく、祭りの費用とか、その他いろいろの分担金などすべてが等級応じて掛かってくる仕組みらしい。 どうであれ、それぞれに不満はあるだろうなぁ、と思うがなぁ・・・


 今日の仕事


 玄関の框に塗装して、止める。