床下

 神戸から帰る。
 お昼の時間に左官屋が大工さんを連れてくる。 沈み込んでいる和室の真ん中のラインの二本の柱を上げてもらう仕事をしてもらうためで、今日はその下見に来てもらった訳である。 いきなりこれは少しひどいなぁ少なくとも一寸は沈んでいるなぁ、と言ってさらに、シロアリにやられているのかもしれないなぁ、とドキリとすることを言う。 シロアリが入っているなら柱は取替えか、継ぎ直しとなって仕事が大変になる。
 二人で縁側の下から覗き込んだが見たかぎりではどうもそんな感じがしない。 考えられるのは石置き基礎が家の重みで地面にめり込んで沈んだということであるが・・・いずれにしろ畳をまくって荒板をはがしてみてみないと分からない。 大工さんは今週末に仕事の空きが出来るのはずなのでそれまでに畳をまくっておいて欲しいと言う。 その後左官屋との二人のやり取りを訊いていると、どうやらまだ40歳半ばのその大工さんは現在奥さんと離婚の話になっているらしい。 隣にある大きな倉庫を見て、これだけ広ければ何でも出来るし動力も入っているし、あの家を手切れ金代わりにアイツにやって、この家でも買って住むかなぁ、などと言い出す始末だ。


 今日の仕事

 午後からの仕事となる。 半島のように南側に突き出している細長い部屋はいずれリビングの一部となる。 そこにテラスサッシと中廉のサッシ窓が入るのだが、その内サッシ窓の枠の上にマグサを入れる。 柱を斜めに切り込みをいれ内側から両端を台形状に切ったマグサを入れる。
 それだけでは心もとないので両側の柱から羽子板ボルト差して固定する。 マグサに使ったのは前に入っていて片面が焦げている材である。 買ってきた新しい材を寸法を間違えたのやむなく古い材で代用した訳だ。 サンダーをかけて焦げた面を削り取ったが材は地松である。 しかし少なからず捻れているのでカンナを掛けてある程度真直ぐにして使った。 マグサ一本を柱間に入れただけで午後一杯掛かってしまった。